“本の街”神保町にあるロックオンキングは珍しい音楽専門の古本屋。中古音楽雑誌、入手が難しいパンフレットやファンクラブ会報誌、アーティストグッズを販売している。狭い階段を上がると、hide、X JAPAN、LUNA SEA、L’Arc〜en〜Ciel、THE YELLOW MONKEY……などいろいろな珍しいポスターが目に入る。扉開けると、レコードショップのような陳列で、いろいろな珍しいグッズもあるし、ロックマニアが来るなら絶対喜ぶのは間違いない。今回、ロックが大好きな店長の今井さんにお話をいただいた。
ーお店は何年間やってきましたか。
2004年にオープンからいままでもう13年間経ちました。
ーすごいですね!
そう……気ついたらそんな長く(笑)でも楽しいですね。
ー当時はどうしてこのお店を開きたいと思ったのでしょうか?
もともとはこういうコレクターショップっていうのは自分がカナダバンクーバー行った時に、こういう小さいお店があって、いわゆるレコード屋さんなんですけど、DAVID BOWIEのポスターからいろんなものがあって。そういうのはきっと面白いなというのは最初のきっかけなんです。日本ではこういう店が当時あんまりなくて、ヨーロッパ・アメリカ・カナダにはそういう文化があります。それでお客さんと話してる時に、こういうのがないですかという話がしていて、そこから探すようになって、それでどんどんこういう感じになってたんですよ(笑)。
ーこちらの取扱商品を見ると、今井さんはファンの好みがすごくわかる気がします。昔は音楽関係の仕事していましたか?
全然。音楽はもともと好きだったんですけど、千葉県の古本屋さんで10年間でずっと仕事をしていました。日本で80年代から90年代かけて、すごくたくさんの音楽雑誌が出てるんです。その時の音楽雑誌はミュージションにインタビューしたり、ライブレポートを書いたり、それが読む人がいたんですけど、いまはそれがほとんどないから、雑誌自体が面白くなくなって、結局なんとかのイベントを中心になっちゃいました。例えば、今度フジロックがあります、だからフジロックのアーティストをメインにするみたいな雑誌になりました。もっとアーティストについて、違う言葉を聞きたいですけど、そういう雑誌はもうほとんどない。
ー最近は雑誌が主催するイベントが多くなった気がします。
そうですね。多いですね。それは雑誌が難しいからですけど。昔はROCKIN’ON JAPANという雑誌があって、ROCK IN JAPANというフェスやってるじゃないですか?そこ最初作った人が渋谷さんという方で、この人がミュージションにインタビューするという試みをして、けっこう面白くて、いまの雑誌と全然違う視点で捉えてます。
ーいまのROCKIN’ON JAPANと違いますか?
違います!同じなんですけど、ミュージションにインタビューする姿勢がちょっと違うというか、やり方はやっぱり違うとは思います。昔はかなり面白い時期で、2000年くらいにすごく変わりました。時代の流れもあるんですけど。例えば今スマホが出てきたので、この時代に応じて変わりますね。出てる人ももちろん全然違います。おそらくミュージションの方が出なくなったりしたっていうこともあると思います。みんながみんな取材応じたじゃないですか?そこはなんとかインタビュー取ってくるって時代とインタビューの仕方はやっぱ違うと思います。だからその記事がやっぱり変わるじゃないですか。それがだんだんいま新しい時代とはまったく違います。どれがいいのか悪いのかはないですけど、その時代によって、雑誌も時代があります。もともとこのROCKIN’ON JAPANは自分がすごい好きで、全部揃えようと思って、それをお店に並べたら面白いじゃないかなと。他もけっこう面白い雑誌があって、創刊号から全部揃えてたんです。
ー今井さんはここに売ってるもの以外、自分もこれら雑誌全部持ってますか?
最初は持てました。でもやっぱりお客さんが欲しい雑誌があるじゃないですか?出したくないけど、代々読んでるものが多いですので、みんなにこの本はどれだけいいかわかってもらえば楽しいです。なので、いまは持ってないです。いいなと思うやつはすぐなくなっちゃうんですね。
ーいま一番好きな雑誌っていえば、どの雑誌ですか?
それは難しいですね。正直っていえば、いま出てるやつがあんまり読んでなくて、古いやつを読んでることもあります。もともと大好きなのはROCKIN’ON JAPANなんですけど、お勧めするとしたら、カドカワという雑誌があって、もともと文革の日本の小説家が出てくるような雑誌だったんですけど、途中からミュージションのアルバムとか一個のものに絞って集中的に50ページとか100ページする雑誌になるんです。
ーすごいですね!100ページ!
そういう雑誌は他にないですよ。かなり深くて、面白いと思います。
ーこっちはCDより、雑誌のほうが多いですね。
最初は本から入ってるので、音楽の本が多いです。CDだったら、FCの限定だったりがあります。非売品でも、置いたらファンの皆さんが楽しいじゃないと思います。Xもいっぱいありますね。
ー主にはロックですか?アイドルとかアニメとかはないですよね?
アニメはなしで、基本的に歌を歌ってる人なんですけど、その基準は自分の好みになっちゃうので。例えばアイドル基本的にないですけど、アイドルがかっこよければオッケーです(笑)。自分がかっこいいと思うっていう、ただそれだけです(笑)。
ー買取は特になにか基準がありますか。
自分が好きだからはもちろん嬉しいですけど、それが買取に沿用することはないですね。そうすると全部自分が好きなやつばっかり集まっちゃうので(笑)。やっぱり皆さんの声を聞いて、判断してることが大きいと思います。
ー珍しいグッズやCDがけっこうありますが、どうしてファンたちが出しますか。
一番多いのは、集めてる方。集めてる方って、一個、ニ個だけ集めるじゃなくて、三個、四個持ってますね。例えば、このフィギュアが欲しいだけど、自分は他のグッズ持ってる、そうするとこの一個をうちのお店に出して買います。出したい方は基本的には好きな方。例えばhideのフィギュアを出すなら、やっぱり同じhideのファンの方に買って欲しいです。大事にしている人を探すのは一番じゃないですかね。普通に考えたらなんで出すんだろうと思っちゃうんですけど、そこにはいろんなニ個持ったりするし、もうしくは事情があって、海外に行かれる方とかで、一時的にたくさんもってるやつを貸したいというのもありますね。
基本的にこれを出して、お金はもちろんしたいですけど、やっぱり自分たちも相当頑張って10年とかそのファンの方も集めてじゃないですか?それだけ思いが強いから、お金よりもなんとか好きの人を見つけるほうが大事じゃないですかね。うちの店にもたくさん海外の方も本当に来て、みんな「これ欲しい」、「あれ欲しい」と言ってるけど、やっぱり自分がどれが一番好きなのか見つけて買ってもらいます。そういう風にして、繋がる場所になってると思います。だからそのために皆さんが出してもらってっていう感じだと思います。あと自分が好きのもありますけど。Xもそうだし。hideさんのぬいぐるみも何種類があるし。今新しく出てるグッズも面白いですけど、昔のグッズはやっぱり凝ってるし、クォオリティは高いので、面白いですね。だから高いかもしれないですけど、価値はあると思います。
ー途中に諦めたいことは一度も思わないですか?
それは全然ないですね。自分も話すことが好きから、来る方もいろんなことを、例えばXのラストライブの話とか、デビューした話とかしたりすると、モチベーションになりますね。ここ東京ドームと武道館に近いので、皆さんライブの前にくる方多いですね。海外の方でもよく来ます。モチベーションは下がらないですけど。
ーちなみに、Xファンの友達はここに来たことが何回もあります。一度来る時、店内BGMとしてXが流れてきて、びっくりしましたよ(笑)。
格好にもいろんな方で、Xだったり、LUNA SEAだったり、いろんなアーティストの珍しいやつが入って来た時、流してあげたことは何回かありますね(笑)。
ーおすすめのアーティストさんがいますか?
最近聞いても昔のやつ聞きちゃうんですね。最近のも勿論聞きますけど。それぞれ好きなところがやっぱりあって、こういう時期の曲聞くほうがいいのはあるかもしれないけど、この人がいいだから聞くのはあんまりないです。
ーMeMeOn Musicの読者にメッセージをお願いします。
音楽が好きな方であれば、最初はライブに行ってもらって、知りたくなったら、できれば読んで、それで集めるっていう順番じゃないですか(笑)できればライブ行ってもらえばいいじゃないのかなと思います。
ロック オン キング ROCK ON KING
文:MeMeOn Music
写真:MeMeOn Music
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