イラストレーター/デザイナーのHisacyが2010年に立ち上げたブランドHYPER CORE。YOSHIKI(X JAPAN)、hide、相川七瀬、栄喜(SIAM SHADE)、千聖(PENICILLIN)、SHUSE(Acid Black Cherry)、栄二郎(BULL ZEICHEN88)、Gacharic Spin 、DaizyStripper……などのアーティスト・バンド、「地蔵小王」という台灣のブランドさえコラボレーションしたことがあります。今回、11月24日から26日まで、Hisacyさんが一人で台灣に「CONNECT ASIA in台湾」というイベントに参加し、大好評を受けました。
ーYOSHIKI(X JAPAN)、hide、相川七瀬、栄喜(SIAM SHADE)……など、いろいろなアーティストさんとコラボした中で、一番印象に残っているのは?
X JAPANのYOSHIKIさんですね。高校生15歳の時に、初めてコンサート行ったのがX JAPANの東京ドームライブだったんですよ。その時は5万人ファンがいて、その中の一番後ろで見ていて、いつかこの方とコラボしたいと思いました。そこから15年くらい経って、自分がデザインの仕事して成功して、初めてやっと会えて。一番目標だった、夢だった仕事ができたので、それが一番思い出に残っています。
YOSHIKIさんがキャラクターを作りたいって話がでて、日本の何人かのデザイナーに話があったんです。僕にも声がかかって、コンペみたいな感じで、僕が出したものをYOSHIKIさんが気に入ってくれて、そこから話が始まりました。
ーhideさんのブランドLEMONeDともコラボしたことがありますね。
はい。YOSHIKIさんも好きだし、同じくらいhideさんも好きで。自分の憧れだった人たち。その人たちとコラボしたくて、この仕事を頑張ってきました。LEMONeDとは今も一年に一回コラボさせていただいています。毎年コラボできる度に嬉しいし、幸せだなって感じています。
ーさきほどおっしゃった通り、X JAPANとコラボしたいから、この仕事始めましたよね。
そうです。絵を描くのが好きだったんですよ、昔から。子供の頃から絵描きになりたいと思って。でも絵を描くのは好きだけど、どういう絵を描きたいというビジョンがなかったんです。でもX JAPANとかSIAM SHADEとかそういうロックバンドを見た時に、こういう人たちのライブグッズとか、CDのジャケットを描ける絵描きになりたいと思いました。こういう絵描きになりたいって具体的に考えたのは日本のロックバンドに出会ったからです。
ー初コラボってだれとのコラボですか。
初めてはhideのプロデューサーのINAさん、X JAPANのPATAさんとHEATHさん、ボーカルのJO:YAさんが結成したDope HEADzとコラボレーションさせていただきました。初めての仕事でいきなり憧れていた人と仕事ができました。それはすごくラッキーでした。やっぱりそういう人たちとコラボしたいと思い続けて行動していたから、そういう風な機会があったのかなと思っています。
ーでも自分が憧れる人との仕事はわりと難しくないですか。
難しいですね。でもそういう人たちと仕事したいといつも言ってるんですよ。今もそうなんですけど。そうするとそのアーティストの耳に入ってたりするんですよね。そこから何処かで出会って、仕事に繋がったりするので、思ってることを言葉にしたり、デザインを描いてアプローチしたりっていうのは大事なことだなって思います。憧れてる人と仕事できることは幸せなことだと思うんですよ。例えばあんまり聞かないミュージシャン、苦手なジャンル、僕が描いたら嘘っぽくなると思います。でもロックだったら、誰にも負けないみたいな気持ちがあるし。
ーいま一番聴いてるのもX JAPANですか。
X JAPANも聴いてるんですけど、けっこうアイドルとかも最近は聴いてますね。例えばモーニング娘。も聴くし。普通に日本のロックバンドも聴いてるし。最近のオススメだとDOLL$BOXXです。五年前にコラボレーションしたグループで女の子5人組なんですけど、すごくかっこいいです。このグループのボーカルはもともとHYPER COREで働いてた子なんですよ。ぜひチェックしてください。あとはちょうど昨日なんですけどCrack6が今日と明日台湾でファンクラブイベントがあって、飛行機の中で偶然会ったんです。仲良くて、普段も聴いてますね。
(P.S.:<KARAKURI TOWN>のPVはHYPER CORE原宿店で撮影していて、
ーいままでいろんなキャラクターを描きましたが、一番好きなキャラクターはどれですか。
今気に入っているのはSICKS BEAR。初めて自分がこれだ!って思えたキャラクターで、お客さんも待ってましたという感じ。SICKS MUMMY BEARとか、MUMMY DEAD BEARとか、たくさんの展開がされていて、今一番お気に入りです。
ー影響されたイラストレーターとかはいますか。
一番影響を受けたのはRockin’ Jelly Beanさん、あとTOKYOGUNS(現WADROCKS)の岩瀬さん。その二人の影響をすごい受けてます。今回台湾には岩瀬さんと一緒に来たんですよ。僕が20歳くらいの時に影響受けて、その人の絵ばかり真似してたこともあるんですけど。大人になって、出会って、仲良くなって、台湾でこういうイベントがあるから一緒に行こうよ、と誘ってもらって今回来たんです。
ーそうですか!一緒に仕事できるのは素晴らしいですね!
自分が憧れてる人たちと仕事できるのは最高だと思います。好きな人たちと好きなことやって、好きな場所で好きなものを食べて、みたいな。好きに囲まれた生き方をしたいと思ってるので。なので、また台湾にも来たいなと思ってます。
ーまだコラボしたことがなくて、今後コラボしてみたいアーティストさんがいますか。
Tommy heavenly6がずっと好きで聴いてて、いつか仕事したいなと思っています。でもいまは「この人と仕事したい」っていうよりも「僕と仕事したいです」っていうアーティストと仕事するのが楽しい。例えばDaizyStripperは僕も好きで、彼らもHisacyさんお願いしますって言ってくれたりするので、すごくいい関係だと思います。やっぱり男同士、気も合うし、お互いに譲らないところは譲らないし。いいものを作るっていう方向が一緒なので、DaizyStripperとの仕事は毎回すごく楽しい。最高な仲間だなと思います。
普段自分のブランドだったら、キャラクターを絶対入れるっていうHYPERCOREのルールがあって、でもアーティストと仕事することで、普段自分が作らないようなデザインをやる機会をもらえるので、アーティストの仕事は新しい自分を引き出してくれるところがあります。そういうところも楽しいです。
ー今回台湾は初めてですか。
初めてです。最近もシンガポールやパリに行ってきて、海外展開をしてきました。これからもっともっと海外に進出していきたいなと思ってます。HYPER COREが世界にどれだけ届くのかすごく興味があるので、行けるところまで行っちゃいたいなと。
ーKERA!、CUTiE、FRUiTS次々休刊の上、最近Zipperも12月22日発売号をもって休刊することが発表されました。SWIMMER、chocoholicとかのブランドもなくなりました。日本若者のファッションに大きな変化が起こり続けてます。こういう変化についてはどう思いますか。
いろんなものを安く買えるようになってしまったっていうのもあると思うんですけど。でも僕が毎日原宿で自分のお店にいて感じるのは、原宿文化っていうのは全然終わってない。来てる人もいっぱいいるんですよ。流行りもいっぱいあるし。ただ昔よりも少し元気がなくなっただけで、全然なくなったわけじゃない。やっぱりいい時もあれば悪い時もあるじゃないですか。今はちょっと元気がないと言われてますけど、これから2020年の東京オリンピックに向けて原宿っていう町も盛り上がっていくんじゃないかと思います。実際海外のお客さんも1、2年前からどんどん増えてきてて。僕のお店も、お客さんの半分以上が海外のお客さんですね。
雑誌が終わってしまったっていうのは売れなくなったっていうのはあるかもしれないですけど、やっぱりウェブが強いじゃないですか。ウェブの方が情報が圧倒的に早いので、そういう理由もあって休止になっただけで。原宿ファッションが消えてしまったわけではないです。なくなるブランドもあるけど、僕のHYPER COREみたいに新しく生まれたブランドもあるので。これからは僕たちが原宿ファッションを盛り上げなければなと思っています。
ー最近原宿に行くと独特な格好してるのはほぼ外人だという気がします。い
ま日本の若者のファッションってなんですかって疑問があります。あと明治通りにもいまチェーン店ばっかりあって、ちょっと寂しいです。意外と竹下通りも同じような店ばっかりなんですよね。
ーそうですね。
HYPER COREみたいな遊び心のあるブランドがたくさん出てきたら面白いかな。けっこう癖が強いじゃないですか?好きな人もいれば、ちょっと着れないなっていう人もいる。でも僕がやってるHYPER COREはそれでいいと思っています。好きな人はもうドハマりして、全部買いたくなっちゃうようなものを作りたいし。ちょっと苦手だなと思う人は無理に着なくてもいいよってスタンスなんで。いいと思ってる人が着てくれれば、それでいい。そういう人がたくさんいたら最高みたいな気持ちでやってます。なので、僕のブランドみたいにそんなに大きくない規模で、好き勝手にやってるブランドっていうのがたくさん若手から出てきたら、もっと原宿が面白くなるんじゃないかなって。
またこれから原宿が盛り上がっていくと思うんですよね。勢いのある原宿にしていくために、「よし!じゃ、HYPER COREが海外のイベントにどんどん参加して、新しい道を切り開いてやろう!」という思いがあります。
照片:MeMeOn Music
HYPER CORE HP:http://hypercore.theshop.jp/