SKY-HI インタビュー

SKY-HI 《SKY-HI’s THE BEST》リリースインタビュー 「今までのやり方に一回ピリオドを打とうと思ってます」

SKY-HI が初のベストアルバム《SKY-HI’s THE BEST》を9月23日にリリース!2013年にソロメジャーデビューからの軌跡であり、8年目への架け橋となる本作にどんな思いが込められているのか、リモートでインタビューをさせていただいた。

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ーベストアルバム《SKY-HI’s THE BEST》について、全曲リマスタリングだけではなく、新曲や新たなアレンジでVocalレコーディングを新たに行った楽曲、Vocalレコーディングを新たに行った楽曲を多数収録という充実な内容となっていると思いますが、その中、SKY-HIさんが一番こだわったポイントは何でしょうか?

できるなら、全曲録り直したいくらいだったので、ボーカルプロダクト今の形で極力やりたいっていうのが一個、なので2曲分の録り直しの予算で9曲録ったり、家で録ったりして、

なので自分の家でレコーディングしたりしたんだけど、こだわってるポイントで行くと本当にやり残しのないようにというか、ポップスのものは本当にポップスとしていいものを、ラップミュージックのものは本当にラップミュージックとしてクオリティー高いものを、そしてダンスしながら歌うみたいなパフォーミングもちゃんと余すこともなく伝えられるようにという、さまざまなことができる、さまざまなスタイルを持ってるっていうのはいいことも悪いことも両方あると思ってるんですけど、ただこのベストアルバムでは、さまざまな方向を本当に異なったものをフルパワーでそれぞれの形でやれるっていうことを大事にしました。

ー歌モノを収録するPOPS BEST、RAP曲を収録するRAP BEST、コラボレーション楽曲を収録するCOLLABORATION BESTの3枚組の構成になります。この三つに分けた理由を教えていただけたら嬉しいです。

自分がメジャーレーベルからリリースするようになったこの7年間っていうのは、いいことも悪いことも、一見真っ逆に見えることを両方もっている自分と言うのがテーマにありました。なので、本当にポップスの曲だけ、本当にラップの曲だけ、っていう分け方の為に、こうしたかったではなくて、自分の活動が良いポップスを作ろう、もしくは良いラップミュージックを作ろう、もしくは音楽性の高いコラボレーションをしようという三つの異なった意識を同時に進める活動をしていたので、この分け方がしたかったんです。

ー昔の曲を振りかえってみると、自分の曲に新しい発見とかありましたでしょうか?

歌詞の面で、昔から伝えようとしていることが一貫していた。それはすごくいいことだなと思ったし、ベストアルバムなので、作った時代もバラバラなのに、特にポップスベストとかは曲順をしっかり考えるとまるでオリジナルアルバムのようにストーリーができていたのは、自分の作り方、特に言葉においての意識がずっと変わらず持ってている、伝いたいことは変わらず持ってているっていうことを発見できたのはすごいよかったです。

ーところで、過去のライブで、〈Name Tag〉という曲を歌う前に、「ポップスターなのか、アイドルなのか、それともラッパーなのか、誰にどう言われてもどうでもいいって、自分は自分だ!」とおっしゃったことがありました。その為、今回はPOPS BESTとRAP BESTに分けるなんて、少し驚きました。

それがこの3枚含めて自分だっていうことですね。自分の中で、ただ音楽を作る時に、ポップスを作る脳味噌とラップミュージックを作る脳味噌っていうのが、確実に存在していたので、今はそれをもう完全に飲み込んで、一つのスタイルとして作り続ける必要があるなと思ったので、今回のベストアルバムでこういう出し方をして、今までのやり方に一回ピリオドを打とうと思ってます。

ー今後の作曲の方向についてはどうですか。

もう、本当に全てを気にしないでやれると思ってます。ポップスにしないと日本のラジオで掛からないとか、ラップミュージックとして高いスキルを見せたいとか、そう言ったことじゃなくて、今までの自分の人生で培ってきた音楽のスキルとか、センスとかを一つのスタイルとして、ずっと一つの方向を向いて音楽を作り続けられると思ってます。

ーそれはつい最近発見したものでしょうか。

少しずつそうなっていったっていう形です。

ーコロナで《SKY-HI’s THE BEST》の発売は延期となり、とても残念でしたが、コロナに伴って、このベストアルバムに何か影響や変化が起きましたでしょうか?

たくさん録り直すことができたので、助かりました。もちろん困ったこともたくさんあったんですけど、あんまり時間の余裕は感じなかったです。空いた分、他にベストアルバムの録り直しだったりとか、ベストアルバム出した後の活動だったりとか、こういった時間はやっぱり歴史の中でも珍しいことなので、せっかくだからいい形のオンラインライブをやりたいなとか、たくさん考えて、たくさん動いてることをしていたという感じです。

ーステイホーム期間は結構長いため、物事に対する考え方も結構変わったと思いますが、曲のアレンジやサウンドなどの面に影響はありますか。

ベストアルバムの収録曲のサウンド面に関してはあんまりないんですけど、一曲だけ追加で入れることができました。それはコロナ、ある意味おかげでできた曲なんですけど、自分のハウスバンドとも会えなくなって、自分のハウスバンドとツアーを回ることもできなかったので、自分はすぐに曲を作ってバンドメンバーに投げてみました。それをバンドメンバーがオンラインで、直接に会わないでセッションをして、少しずつギターリストがギターを入れて、ベーシストがベースを入れて、ベースを入れたから自分が弾けたベースはミュートして、という形で、コロナなんだがあったから作った〈#Homesession〉という曲をベストアルバムの最後に入れることができました。それはすごく自分の活動のまとめとしても美しい46曲の終わり方だったので、とてもよかったと思ってます。

ー1曲あたりの録り直し回数について、最多何回くらいありましたか。

へぇー…何回だろう…家で録っちゃったんで、何回でもやれるじゃないですか?家だから(笑)だから一回、二回歌って、よしこのテイクでいいなってのがあれば、夜に録って起きて聞いて、もう一回やっぱ録り直したいなと思って録ったものとかもあるので、まったく思い出せないんです。3日間くらいで9曲を全部録り直したんですけど、その3日間はずっと歌ってました。

ー Samuel Seo、Honey Cなど、海外のミュージシャンとのコラボが実践できました。〈Sexual Healing 〉と〈Shiawase〉この2曲について、国境を超えたコラボレーションはどうやって進行していましたか?

〈Shiawase〉は実は2017年のものだったので、実際にLAにいる時にLAにいたアーティストとLAのスタジオで録るっていう、すごくオフラインな進行でした。一方で、〈Sexual Healing 〉はまさにトラックのデーターを最初送ってもらって、自分が歌を全部入れてからもう一回送り直して、また向こうから変えてきて、ずっとメールとDMで進めていて、ミックスのチェックも「今こんな感じだけど、どうだろう?」っていうのをインターネットで送りながら。今は海外どこに行ってもリアルタイムでミックスのチェックまでできるので、一回でも直接会ったことがある人だとコミュニケーションも円滑に進むと思ってます。

ー海外アーティストとのコラボ経験から何を学びましたか?

やっぱり日本にいるアーティストとコラボレーションすると、自分も向こうのこと知っているし、向こうも自分のことをよく知っていたり、自分がどういう人間かっていうイメージがある状態でのコラボレーションになるんですけど、海外のアーティストは名前とか曲とかを知ってくれてる人がいたとしても、そんなに深く自分のことを知ってる人ではないので、すごく純粋に音楽を通したコミュニケーションができるのをすごく感じました。なので、自分がどういう人間に何をしていても、やっぱり大事にするべきはクオリティーだったり、クリエイティビティだったり、アーティシズムだったりするっていうのをすごく学びましたし、そういったものをしっかり持った状態だったら、世界中どこのアーティストとコラボレーションしても楽しいセッションが作れると思いました。

ーそれでは、国問わず、今後コラボレーションしたいアーティストさんは特にいますか。

もう、世界中にいっぱいいますし、まだ会ったことのないアーティストとのコラボレーションもたくさんしたいです。

ー台湾だったら、いますか。

Julia Wu (吳卓源)とDJ Didilong(李英宏)。Julia Wuは日本アーティストとのコラボレーションから知って、すごく綺麗で歌がいいと思って、直接会うこともできました。日本で。Didilongは、最初に知ったのは台湾の「KAO!INC.(顏社)」というレーベル会社のお方とラジオに出ったことがあって、それで台湾のおすすめアーティストみたいな形で、たくさん聞かせていただいて、その中にDidilongもいました。

ー普段はどこから新しい音楽と出会いますか。

やっぱりストリーミングサイトで流れるように、なんとなく好きな音楽を探していたら巡り合うっていうのが一つ。もう一つは、やっぱり自分の周りで音楽が好きな人とかからおすすめを聞くっていう。その二つですね。

ー最近気になるアーティストを教えてくださいませんか。

いっぱいいるんですけど、最近お話したアーティストでめちゃくちゃ気になってたのは香港の「Young Hysan」というラッパー。Spotifyで知って、Instagramで連絡を取って、ラジオにオンラインで出てくれてっていうコミュニケーションの取り方をしました。彼はすごい、才能もあるし、ポジティブな人間だし、信念も強くあって、アルバム作ってるって言ったので、今すごく楽しみに待っています。

ー自粛生活が続いている中、SKY-HIさんは日々どのように過ごしていますか?

いろんな仕事をしています。若いラッパーとかのプロデューシングとかの曲もあるし、自分の曲もいっぱい作ってるし、あと9月26日に自分の実家からライブをやるので、それの準備もしなきゃいけないし、やるべき仕事がいっぱいあるので、それをしながら、合間でちょっとトレーニングしたりみたいな感じです。

ー最後、MeMeOn Musicの読者に一言御願いできますでしょうか。

台湾は本当にライブさせてもらった時にも、人が来てくれたり、待ってくれてる人がいたり、すごく嬉しく思ってるのに、なかなか行くことができなくて、悲しく思っているので、来年こそだと思ってるので、どうか待っていて欲しいです!そして、これだけ新しく知るのにも十分なベストアルバムっていうのができたので、待っている間に、待ってくれる人をどうかみなさんの友たちの間で広めといてください(笑)

SKY-HI インタビュー
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文:MeMeOn Music / 写真: avex taiwan

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