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Zepp New Taipeiが主催する日本アーティストと台湾アーティストの対バン企画「Zepp Premium」は今年から展開。その記念すべき初回は、東京事変のベーシスト亀田誠治、人気ラッパー SKY-HIが台湾のElephant Gym と共演する予定。 SKY-HI (日高光啟)は人気グループ AAA のメンバーであり、この 2 年間自ら芸能事務所 BMSG を立ち上げ、ボーイズグループのオーディション「THE FIRST」を主催。その上、「THE FIRST」から誕生した7人組ダンス&ボーカルグループ BE:FIRST は大ヒットになった。
2022年12月にニューアルバム《THE DEBUT》をリリースし、今年5月から日本でARENAツアーを展開、充実で豊かなキャリアを持つ彼は、ラッパーとして台湾で初めてライブを行う。この機会に、台湾に対する印象やプロデューサーならではの考え、また、日本のヒップホップシーンについてお話しをいただいた。
小籠包、美女、足ツボ
ーコロナ禍以前に台湾に来た際、台湾に対してどのような印象を抱いていましたか?台湾と聞いて思いつくキーワードを3つ教えてください。
小籠包、美女、足ツボマッサージ。小籠包は欠かせない物になりそうです笑。噂には聞いていたけどここまで素晴らしいのか!と感動しました。
ー今回の来台で何か楽しみにしていることはありますか?
今回は食べ物もそうですが、「観光名所」以外の台湾にも行きたいです。幸いØZIという友達も台湾にできたので!
日本HIPHOPシーンについて
ー以前LAにいた際にアジアのラッパーが欧米諸国からの注目を得ているとお話しされてましたが、ここ数年欧米に対するアジア文化の輩出や、コロナ禍でのストリーミングサービスの流行を踏まえて現在の日本のラップ文化はどのような状況にあるとお考えですか?また、尊敬しているラッパーはいますか?
昨年のPOP YOURSが象徴的ですが、日本でも遅ればせながら確実にHIPHOP、RAPシーンが存在感を強めたと思っています。多様なスタイルが存在したり、他ジャンルとも軽々妙々にコラボレーションしていける物になったと思いますが、やはりその中でも今一番ラッパーとしてアイコニックなのはRalphかと思っています。圧倒的ストーリーをバックボーンに、技術やアティテュードはまさしくラッパーとしか形容できない、HIPHOPそのもので、強く憧れを覚えます。
ー近日Instafest Appというサイトで作成できるSpotify Festival(Spotify上での自身の注目アーティストをフェスのタイムテーブル形式で振り返る事ができるもの)が人気を得ていますが、このサイトを利用したことはありますか?また、ストリーミングサービスでよく聴いている音楽は何ですか?
いえ、ありません!Spotifyはよく使いますし、アルゴリズムに身を委ねるのも嫌いではありませんが、一番は周りのシェアや口コミから拡げていく事が多い気がします。「誰もこんな人知らないだろ!」というくらいまだリスナーの少ない才能を見つけた時の喜びもありますが。
ー過去にご自宅でライブを行われていますが、他にライブをやってみたい場所やコンセプトなどはありますか?
歴史のある建造物でいつかやりたいなとは思っています。背負う物が大きければ大きいほどやり甲斐がありますよね。背負う物ゼロ、みたいなライブも好きですが笑。
魅力的な男性アイドルグループをどう育つ?
ーAAAの活動休止中に会社を立ち上げ、オーディションまで行われたとのことですが、その道中で何かぶつかった困難などはありますか?
書ききれないほど多くの企画や楽曲制作、並行して自身のアーティスト活動やプロモーションを行なっている訳ですが、実のところ最も労力を割いているのは経営です。社員数をゼロから一年で5人、そして次の1年で40名に増やし、作業効率と売り上げの増加、何よりも社員が働きやすい環境や空気作りに苦心しました。アーティストマネジメント以上に社員のマネジメントは初めての事も多かったですが、これまでの人生経験が活きてくるシーンは少なくなく、現在は実問題として忙しいということ以外に大きな問題は抱えていません。
ー近年日韓、また中国でもオーディション番組が人気を得ていますが、日本と韓国では男性アイドルグループにどんな違いがあると思いますか?また、日本の強みは何だと考えていますか?
実は日本のアイドルは横でのつながりが表面化することが少なかったので、単体のアーティストやひとつの事務所もしてのプレゼンスが高まることがあっても、「日本のアイドルグループ」という様に括れるシーンは形成されていなかったと思っています。なので、これから作るのです。それは様々な国での成功や失敗を横で見た後に行えるので素晴らしい物になる可能性は高くあります。が、韓国はこのシーンを作り上げるまでに何十年も時間をかけていますから、カメラ映えのするパフォーマンスや統率力、徹底した管理やブランディングといった特有の強みの部分は敵いませんし、踏襲するべきではないと自分は考えています。日本にはダンススクールや芸能スクールが多くあり、子どもが習い事として学びやすい環境であるので、元の人口以上にスキルの高い方が生まれやすいし多様になりやすいですから、その多様さを音楽に活かすことができれば魅力的なグループは継続して作れると思っています。
ー台湾の男性アイドルにどのような印象をお持ちですか?興味のあるアーティストやグループはいますか?
自分と年齢の近い方も多いですよね。TITANは特にHIPHOPのフレーバーがして好きです!
ー社長として最初にプロデュースされたアイドルグループBE:FIRSTに次いで、以前発表された新たなグループMAZZELもファンの皆さんの大きな期待を得ています。新人アイドル育成の上で重要だと思うことや改めて意識した部分は何かありますか?また、それらの経験はご自身のパフォーマンスにどのような影響をもたらしていると思いますか?
メンバー間でのリスペクトを強く持ち続ける事、そしてそれを担保に、感情ではなく現実的に必要なスキルの向上に前向きに取り組める環境を作る事かと思います。不安や悲しみは時に原動力になりますが、迷いや不信が良い影響を及ぼす事はないので。「現実的に必要なスキル」に関しては、基礎以外の部分はディレクションをしていくわけですが、それが自分のアーティストとしての特性や武器の客観的認識、それによる成長を呼び起こしたのは確実にあり、あまりに嬉しいサプライズでした笑。
「夢を超える現実は確かに存在するんだ!」
ー幼い頃からサッカーがお好きだとお聞きしましたが、最近行われているW杯に注目していますか?印象的な試合や気になる選手などいればお聞きしたいです。
決勝がここまでドラマチックな大会は中々無いですよね。漫画より漫画的なリアルに胸が躍りました。日本vsドイツ、日本vsスペインと言いたい気持ちでたくさんなのですが、あの決勝はそれにしても夢をたくさんくれました。夢を超える現実は確かに存在する、という夢を。
ー過去にご自身のエッセイ『晴れるまで踊ろう』でたくさんの漫画、アニメ作品に触れていましたが、最近何か注目している作品はありますか?オススメがあれば教えてください。
うーん、ワンダンスというストリートダンスを題材にした漫画が素晴らしいです。音楽愛に、それを体現するダンスへの愛情に溢れていて、またその素敵さがとても伝わってきます。10代で知っていたら、ラップよりダンスにハマっていたかもしれませんし、この歳になって改めてダンスがしたくなったのはあの漫画のおかげもあります。
ー今回のZepp Premiumのイベントを楽しみにしている台湾の皆さんへ一言お願いします。
人生って、こういうことがあるから楽しいよね!と思ってもらえる一日を用意するために、体も心もしっかり準備していく様にします。最高の出会いを作りましょう!頑張りますね!
【イベント情報】
Zepp Premium “”亀田誠治, SKY-HI and Elephant Gym”
日付:2023年2月23日(木)
場所:台北・Zepp New Taipei
出演:亀田誠治、SKY-HI、Elephant Gym
SKY-HI HP:https://avex.jp/skyhi/
BMSG HP:https://bmsg.tokyo/
BE:FIRST HP:https://befirst.tokyo/
Special Thanks:ATC Taiwan、Keedan、Onippon、樂手巢