日本live houseインタビュー・LIQUIDROOM 「お客さんにとっても、アーティストにとっても居心地いい空間を提供しよう」

liquidroom_out-2

恵比寿にあるLIQUIDROOMというライブハウスは移転から12年経ちました。日本国内と海外から様々なアーティストがここにて出演します。メインホールの他にラウンジ、カフェ&ギャラリーといった3つのエリアをプラスした複合施設としてさまざな催事/用途に適応。今回、マネージャーの東田さんに日本のライブハウスシーン・LIQUIDROOMの今昔についてお話しをいただきました。

中文版

ーまず、東田さんについて、お伺いしたいことがあります。LIQUIDROOMで働くきっかけはなんだったのでしょうか?

きっかけは、18歳の時から大阪でライブ会場やライブハウスの運営のお手伝いや警備の派遣アルバイトをしていいたのですが。そこでいろんな会場に行ってアルバイトをしていて、ライブハウスにもよくその仕事で行っていたのですが、将来的に漠然とコンサート業界でで働きたいという気持ちがありました。それで東京に出てきてから、いろんな人の繋がりができてタイミングよく1996年に新宿歌舞伎町にあったLIQUIDROOMをご紹介頂いて入社しました。

ーあー!あの新宿のLIQUIDROOMはいまのと同じですか!

同じです。最初は新宿歌舞伎町にあったんですよ。歌舞伎町で9年間営業して閉店しまして、恵比寿に移転してから今年で12年目になります。

ー音楽が好きだから。

そうですね。音楽が好きだし、実際の音楽の現場に興味があったからですね。よくライブハウスの現場でバイトしてたんですけど、そのままライブハウスで働くことになりました。

ーちなみに、どんなジャンルの音楽が好きですか。

最初に一番好きだったのはheavy metalですね。今は、主にBLACK MUSIC、DISCO、クラブミュジック全般、心地いい音楽はなんでも聴きますよ。激しくて興奮する音楽は好きですが、疲れるやかましい音楽は苦手です。

ーいまLIQUIDROOMはジャンル問わずですね。

そうですね。ジャンルは限定していないです。うちは会場なんで、借りてくれる方がいれば相談で、どんなジャンルの方でもやらせていただきます。

ーでも主にどのジャンルをやってますか。あるライブハウスはパンク向けとか、ヴィジュアル系向けとか。

そうですね。お店によっては得意なジャンルがあったりしますよね。うちはジャンル問わずで、場所も良いのでバランスよくいろんなジャンルの方に使って頂いています。ポップス、ロック、パンク、メタル、ヒップホップ、ヴィジュアル系、今日もそうですね(註:今日はHEROのライブ)、海外の来日アーティストまでいろんな方が出演しています。リキッドは約1000人のキャパなのでそのキャパを動員できる盛り上がっている旬なアーティストがワンマンやイベントを開催する事が多いので面白いスケジュールになっていると思います。

ーもう20年くらい働いていますよね。

そうですね。実は最初LIQUIDROOMに入社して一年しかいなかったんですよ。そのあと同じくライブハウスの新宿LOFTに入社して店長として8年間働いてその後、再度LIQUIDROOM復帰したという感じです。

ーどうしでその時、一年後LOFTへ行っていたのですか。

リキッドルーム入社後1年で辞めたのは、当時まだ若くて常識がなかったので務まらなかったのが理由ですね。その後はハウリングブルという会社でバンドのライブツアー制作の仕事などを勉強させていただきお世話になりました。

ちょうどその時期に新宿LOFTが小滝橋にあった300人キャパの店舗から、歌舞伎町の500人キャパの店舗に移転するというタイミングだったんですけど。LIQUIDROOMで1000人キャパの会場経験があったので、お声がけいただいてLOFTに入社しました。新宿LOFTでブッキング業務など経験を積んで8年後にまた縁あってLIQUIDROOMに復職したという訳です。

ー戻ってきたその時はまた新宿LIQUIDROOMですか。

いえ、戻った時は恵比寿に移転後のリキッドルームです。

ーあ!こっちですか!でもキャパが違うんで、ブッキング内容も違いますよね。

そうですね。LOFTは最大500人、ここは1000人なんで、倍ぐらい違うんで大変ですよ。

ー例えばどんなところが大変ですか。

500人キャパの会場だと200人ぐらいからお客さんが集まれば、人がいっぱいいるようにみえるのですが、ここだったら、500人ぐらいお客さんが入らないと、見た目も、興行としても成立しないので、お客さんを集める事ができるブッキングを組む事が大変ですね。

ーなるほど。ちなみに好きなバンドとかありますか。

好きなバンドはたくさんいますが、1つ挙げるとS.O.Bというバンドです。昔から大好きなバンドです。80年代から活動していて、パンク・ハードコアをベースに、スラッシュ・メタルやデス・メタルも飲み込んで進化したバンドで海外のバンドにも影響を与えています。イギリスのNAPALM DEATHもS.O.Bに影響を受けたバンドの1つと言われていますね。S.O.B はグラインド・コアやファスト・コアの原形であり、日本におけるスラッシュ(パンク)の先駆けですね。

ーそのバンド(S.O.B)を呼んだことがありますか。

ありますよ。リキッドルームでも不定期ですがご出演いただいています。

ーどうでしたか。

最高ですよ。いつ観てもめちゃめちゃかっこよくて興奮しますね!是非ライブを観ていただきたいです。

ーその時の動員はどうでしたか。

組み合わせによって違いますけど、最多の時は千人くらい入りました。ちゃんと良い組み合わせでブッキングできればお客さんは入ります。

ーそうですか。ちなみに、いままで印象に残ってるライブってありますか。それとも面白いエピソードがありますか。

そうですね。衝撃だったのはOmarionというアメリカのアーティストが来日した時に、ここでライブをやったんですけどOmarionが楽屋の前で、主催者の黒人のプロモーターと喧嘩してたんですよ。多分条件面か何かだと思います。目の前で黒人同士の激しい言い争いを見たのは初めてだったので衝撃でした。

ーへぇー?!出演の当日ですか。

当日ですね。LIQUIDROOMの事務所前の通路でプロモーターとOmarion本人が喧嘩してましたね。FUCK を連発していましたね。恐かったですよ。

ー結局それはどうでしたか。

でもそのあと予定通りライブをやっていたので問題は解決したのだと思います。

ーリキッドに出演する外国のバンドはけっこう多いですか。

そうですね。海外のアーティストにもよく出演して頂いています。

ーこれは東田さんが呼びますか?それとも?

いえ、自分が海外のバンドを呼んだりはしていないです。SMASHさんとか、creativemanさんなどのプロモーターさんがうちの会場を使って興行を行って頂いている感じです。LIQUIDROOMから提案をして海外のアーティストを招聘することもあります。

ーなるほど。LIQUIDROOMも20年くらいですよね。何か記念ライブとかはどうですか。

今年は恵比寿に移転して12周年なんですけど、LIQUIDROOM 12th ANNIVERSARYと題して12周年ライブを開催します。現在決まっているのが、7/12(火)電気グルーヴ、7/13(水)METAFIVE 、7/21(木)ZAZEN BOYS、8/21(日) ~カクバリズムの夏祭り~ “Summer’s Here”、8/24(水) The Birthday×THA BLUE HERB、8/30(火) Polaris×キセル×OGRE YOU ASSHOLE、9/9(金) eastern youth×9mm Parabellum Bullet、です。その他公演決まり次第随時発表していきます。歌舞伎町から数えて20周年の記念公演はなかったですね。次30周年だったらやるかもしれないです。

ーどうして20周年はやらないですか。

なんでしょうね…タイミング逃しちゃた感じですね。こっちは12周年なんで、新宿も合わせれば21年でなんすけど、タイミング逃してますね。(笑)。そこまで考えてなかったです。でもやるんだったら30周年ですね。あと9年。

ーそうですね。けっこう長いですね。

そうですね。いまのところ未定ですけど、30周年は何かやりたいですね。

ーこの長い間、ライブハウスシーンは変わりましたか。

昔はライブハウスといえば決まった店しかなかったんですが、現在は数がすごく増えましたね。まだ増え続けています。昔は決まった店しかなかったので、ほとんどのバンドがその店に集まってくる状況だったと思いますが今はいろんなお店がたくさんあるので出演するバンドもお客さんもライブハウスを選ぶ時代になったと思います。毎日沢山のライブハウスが営業していて、沢山のイベントが開催されていてライブハウスシーンは活性化はしていると思いますがお店側の立場からだと増えすぎるのも困りますね。(笑)やっぱり努力している店が盛り上がっていくと思いますのでリキッドルームも頑張っていきたいと思います。あとは、昔はライブハウスといえばちょっとおっかないイメージがあったりしましたが、いまは明るく健全なお店が増えて、イメージも変わってきましたね。昔と変わらず同じ雰囲気のいいお店もたくさんありますが。バンドに関して言えば年代で入れ替わりはありますが基本的には、昔も今もあまり変わらないですね。

ーライブハウスは大体地下にありますが、LIQUIDROOMは十何年前からできて、しかも一戸建てなんて、珍しいですね。

そうですね。前の歌舞伎町にあったLIQUIDROOMはビルの7階にあったんですよ。恵比寿に移転して、一戸建になりました。大企業が経営しているライブハウス以外だと一戸建は珍しいと思います。普通は元々ある物件の中にライブハウス作るパターンが多いと思います。その方が安くお店の立ち上げができるからですね。台湾でも大きい会場とかってありますよね。それも建物の中に入ってますか?

liquidroom_out-1

ーそうですね。例えばATTっていうのはデパートの中にあります。て、最近有名なlegacyっていうライブハウスは昔のビール工場から変わったので、一階にあります。でも、ライブハウスに向いている建物はなかなかないですね。

そうなんですね。それは世界共通だと思います。

ーリキッドルームには以前からギャラリーやカフェがあったのですか。

以前はギャラリー(KATA)はなかったです。オープン当初はタワーレコードさんがタワーカフェを出店していました。(現在はタイムアウトカフェ&ダイナー)その横にタワーレコードさんのCDショップがあったのですが閉店して、現在はギャラリーになりました。不定期で2階のカフェとギャラリーを使用したイベントなども行っています。

ー主に音楽関係のイベントですか。

そうですね。音楽イベントだったり、作品の展示などが主ですね。多目的スペースになります。

’†
タイムアウトカフェ&ダイナー

ーギャラリーでDJイベントやることができますか?

DJイベントもできます。ギャラリーとカフェが繋がってるんで、二つのエリアをプラスして使うことができるんですよ。ギャラリーの中でライブをやってカフェはラウンジみたいにゆっくりできるスペースみたな感じですね。カフェでもDJをやったりとかも可能です。

1階のリキッドルームと2階のギャラリーとカフェを連動して行うイベントなども開催することもあります。

gallery 「KATA」
gallery 「KATA」

ーなるほど。LIQUIDROOMって一番魅力があるところはなんでしょうか。

リキッドルームの魅力は、音がいい事ですね。ライブハウスにとって音がいいというのは重要なポイントだと思います。

ーなるほど。長い時間でここで働いて、やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

ライブを観に来て頂いたお客さんがすごく楽しんでいて、出演者もいいライブができて、みんなハッピーな時は一番よかったなと思いますね。あとは自分がイベント企画して、お客さんがたくさん入って盛り上がった時は嬉しいですね。

ーLIQUIDROOMで働いていて、大切にしていることは何かありますか?

出来る限りですがお客さんにとっても、アーティストにとっても居心地いい空間を提供できるように心がけたいと思っています。せっかく楽しみに来て頂いたお客さんに、楽しんでもらえるような環境作りというか、出ていただいたアーティストの方に対してもまたここでやりたいなと思ってもらえるお店でありたいですね。

ー会場の内装などはどうですか。

ライブホールの中は歌舞伎町のLIQUIDROOMの時とだいたい同じよな作りになっています。ステージの広さ、天井の高さ、客席の大きさなど。ステージ高も約1メートルあるのでどこからでも見やすいですね。やっぱり新宿のLIQUIDROOMって特別な空間だったんですよ。新宿のLIQUIDROOMに思い入れがあるバンドマンや、お客さんもたくさんおられると思います。新宿のLIQUIDROOMの雰囲気も引き継ぎながら新たなに恵比寿で営業している感じですね。

1f_naikan

ー前にもここでライブを見たことがあります。お店の中に二つのバーカウンターがあるってことはライブハウスにとって珍しいですね。

そうですね。バーカウンターが一箇所のお店は多いですね。リキッドの場合は、例えば200人しかお客さんが入らないという日は、バーカウンターは一箇所しか開けないですけど、お客さんが多く入るときはバーカウンターは2箇所とも開けますね。

ーあー!お客さんの人数に応じて調整しているのですね!

調整しています。リキッドは最大1000人キャパですからね。2箇所開けておくとお客さんも並ばずに買いやすいですし、こちらも多く売る事ができるのでお互いによいですね。

ー理想的なライブハウスって、どんなライブハウスだと思いますか。

やっぱり居心地がいい場所ですかね。見やすくて音が良くて居心地がいいライブハウス。

ーこちらは騒音の問題は大丈夫ですか。

騒音の問題はありますね。低音が響いて音が外に漏れたり、すごく盛り上がるバンドのライブの時はライブフロアでお客さんが一斉に飛び跳ねると振動でちょっと建物が揺れるんですよ。隣のマンションにも振動が伝わる事もあります。近隣の住民の方にはなにかとご迷惑をかけないように気をつけながら営業していますね。あと、最近はタバコの問題ですね。ライブホール内は禁煙なのですが、ロビーはタバコが吸える環境になっています。ロビーの一角に煙を吸い込む大型の空気清浄機を設置してそこだけで吸って頂くように対応しているのですがタバコを吸わないお客さまも多いので。煙を吸い込みたくないので禁煙にしてほしいという問い合わせもたまにあります。禁煙にしてしまえば簡単なのですが、タバコを吸いたいお客さまも多いので難しいところですね。出来ればタバコを吸うだけの喫煙所を隔離して作りたいのですが、現状場所の問題もあり分煙で対応していますが、将来的には隔離した喫煙エリアを作れればと思っています。

ーそうですか。では、最後、MeMeOn Musicの読者に一言お願いいたします。

東京に来られた際は、LIQUIDROOMも毎日ライブをやっていますので、スケジュールをチェックして、みたい公演があれば是非遊びにきてください。

LIQUIDROOM2

LIQUIDROOM情報

住所:東京都渋谷区東3-16-6 

キャパシティ:1000人

ウェブサイト:http://www.liquidroom.net/

文:迷迷音

写真:迷迷音

会場写真提供:LIQUIDROOM

你的拍手是我們的動力

還喜歡迷迷音的文章嗎?如果覺得迷編的文字為你記下了演唱會的感動、如果覺得看了訪問可以多了解一點喜歡偶像的創作想法和可愛小地方、如果覺得參戰教學文可以多少有點幫助,請幫忙按下面的拍手圖示,只要登入連結Google或是FB帳號,就可以【免費支持】迷迷音。

贊助一杯咖啡

網站的維持比想像中還要不容易,每篇採訪從搜集資料、聯繫、訪問、逐字稿、翻譯、拍攝、審稿,基本上都是迷編從頭到尾完成,主機、圖床、相機設備等等的支出也比想像中龐大,目前迷迷音收支離打平還有很大的距離,如果覺得迷迷音的文章多少對你有些幫助,還請幫忙按下面「Buy Me A Coffee」圖示、給予贊助讓迷迷音可以努力持續生存下去!

送我們一杯咖啡

其他人也迷

你可能也喜歡

最新消息

線上日文
線上學 日文
線上日文

迷迷動漫

迷迷影劇

日劇、電影、娛樂圈大小事
英文補習
網上學 英文
英文補習

迷迷專訪

迷編為你貼身訪問台灣與日本音樂人、聲優、第一手情報

迷迷好音推薦

吃貨迷編日記

FB粉絲團

在 Twitter 上追蹤迷迷音

加入迷迷音樂社群

訂閱迷迷音電子信