SUGIZO (LUNA SEA、X JAPAN)が9月30日、ソロキャリア初のライブアルバム《LIVE IN TOKYO》をリリースする。2019年、京(DIR EN GREY / sukekiyo)、GLAYのTERUとTAKURO、清春などの豪華ゲストを招いて行われた自身初のBirthday公演「SUGIZO 聖誕半世紀祭~HALF CENTURY ANNIVERSARY FES.~」が50歳の誕生日前夜および当日の2日間にわたって中野サンプラザで開催された。この公演のうち、SUGIZOのライブパート全18曲を《LIVE IN TOKYO》として音源化された。そのうえ、〈DO-FUNK DANCE〉、〈VOICE feat. 清春 〉、〈巡り逢えるなら feat. TERU & TAKURO〉、〈絶彩 feat. 京〉、ライブ盤に収録された4曲も7月に先行配信リリースされた。今回、本作に込めた思い、及びこのような時代にどうやって激しい変化を向き合うのか、SUGIZOさんにお話をいただいた。
ー《LIVE IN TOKYO》はタイトルからジャケットデザインまでPublic Image Ltd(PiL)初来日公演のライブアルバム《Live in Tokyo》へのオマージュとなっています。Public Image Ltdは、SUGIZOさんにとってどのような存在でしょうか?また、PILのジャケットと同じポースで写真を撮った時のご感想を教えて下さいませんか。
PiLからは思春期の頃から大好きなバンドでした。
今でもその革新性に多大な影響を受けています。
パンクムーヴメント以上にポストパンク&ニューウェーヴの実験性、アヴァンギャルドなそのあり方は自分の指針になっています。
PiLの《LIVE IN TOKYO》は中学の頃に超愛聴版でした。
ジャケットの写真は新宿で完全なゲリラ撮影でしたので、短時間で非常に緊張感漲る時間でした。
無事に終えられて本当にホッとしました。
ーPiLが発表してきた数多くの楽曲の中から最も好きな1曲を選んでいただけますでしょうか。また、その理由も教えて下さい。
《Flower of Romance》の楽曲はどれも大好きです。とにかく実験音楽集である本作品に多大な影響を受けました。
とは言え中学の頃、PiLにハマったきっかけはやはりわかりやすい〈Love Song〉でした。
ー《LIVE IN TOKYO》のリリースを記念して初の配信ライブも決定されました。どんなライブになりますでしょうか? 話せる範囲でぜひお聞かせ下さい。
ストリーミングライヴでしかできない表現の魅力を追求したいと考えています。
いわゆる通常のスタイルとはかなりかけ離れたものになると思います。
ー新型コロナウイルスの影響で自粛生活が続いていますが、毎日どのように過ごされていますか。
基本的に毎年インフルエンザに対してはとても注意を払ってきました(以前感染してツアー初日のライヴを延期してしまったこともあったので)。
その感染防止対応をより強化して生活している毎日です。
元々スタジオに篭る性分なので、じつはコロナ自粛期間も以前とさほど大きな生活の変化はありませんでした。
ーライブができない期間に、『MUSIC AID FEST. ~FOR POST PANDEMIC~』の開催や終戦の日にプロテストソング「昨日見た夢~平和の誓い~2020」の発表など、いろいろな活動をしたりしていますが、こんなに長くライブをしていない経験はほぼないでしょう。8月末から約半年ぶりにライブ再開できて、SUGIZOさんにとって、ライブ活動に対する感じ方や考え方はどんなふうに変わりましたか?
やはり思っていた以上にライヴが自分の人生においてかけがえのないものだったんだ、ということを痛感しています。
ーSUGIZOさんが常に社会問題に関心を持っています。「君ニ問フ」でもおっしゃいましたが、本当に幸せになるための選択をすべての人ができる世界は理想的な世界です。ただ、今多くの人にとって、この資本主義社会に生まれると、その社会のルールに従わないと生き辛いと思います。その中、悩んでいる人々にアドバイスを御願いできますでしょうか。
闇ではなく光へフォーカスすることが大切なのではないでしょうか。
そしてみんなが自分だけではく、自分の国だけではなく、周りを、世界を常に大切にすることができたら素敵だと思います。
競争し続ける好戦的な生き方よりも、安堵を感じられる平和的な行き方のほうが気持ちいいと思いませんか?
ー新型コロナウイルスの影響により、音楽ビジネスのあり方が大きく変わています。ライブ配信だけではなく、国境を越えて多くのプロジェクトが生まれてきたり、AR/VR技術などの技術の導入により、新たな音楽体験が急速に発展しています。今後、音楽家として、どのように向き合ったほうがいいと思いますか。
新しい在り方、方法を積極的に受け入れ、促進させて行くと同時に、古き良きやり方の中で本当に大切な部分はしっかり残し、守り、継承していくべきだと思います。
いずれにせよ、もう過去のやり方には戻れません。
新しい世界の在り方にゆるりとサーフィンするように乗っていくことが賢明なのではないかと思います。
ーコロナで台湾のファンも日本へライブ参戦に行きたくても行けなくなりました。こういう状況の中、台湾のファンにメッセージをお願いします。
台湾は僕にとって本当に大切な第二の故郷です。
この世界的パンデミックを受けて、皆さんの存在がどれだけ僕にとって大切なのか、掛け替えのないものだったのか、心底痛感することになりました。
みんなが心から恋しいですし、一刻も早くこの状況を乗り切って、またお会いしたいです。
近い将来必ずみんなに会いにいきます。
その時はこのパンデミックの猛威をくぐりぬけた新しい世界、新しい価値観を僕らは生きているはずです。
新しい時代で会いましょう。
東京から愛を込めて。
ーMeMeOn Musicの読者に一言御願いできますでしょうか。
今後も全力で自分の音楽、表現を貫いていきます。
これからも宜しくお願いします。
SUGIZO HP:https://sugizo.com/
文:迷迷音 / 照片:SUGIZO