「和楽器バンド」のボーカリストとして知られる鈴華ゆう子は、近年、個人音楽活動を通じて多彩な音楽スタイルと強烈なステージ魅力を発揮しています。2025年12月6日、彼女は初めて個人名義で台湾に訪れ、Corner House 角落文創展演空間にて「鈴華ゆう子『SAMURAI DIVE~東名阪台ノ陣~』台北公演」を開催します。この公演は、今回の『SAMURAI DIVE』ツアーの最終公演でもあり、日本の音楽文化を愛する台湾のファンにとって、特別な意味を持つものです。公演に先立ち、鈴華優子本人が海を越えて、個人名義での作品や本公演への期待について語ってくれました。
ー『ニンジャラ』の主題歌として『ケサラバサラ』を歌われましたが、この楽曲についてご紹介いただけますか?振り付けもこれまでで最も難易度が高いとのことですが、練習の中で印象に残っているエピソードなどがあれば教えてください。
『ケサラバサラ』は、私の音楽人生の中でも新しい扉を開いた作品です。「和」と「ダンスミュージック」を融合させた楽曲で、アニメ『ニンジャラ』の世界観に寄り添いながら、聴くだけでなく体を動かして楽しめるように仕上げました。初めて本格的に挑戦したダンスは想像以上に大変でしたが、練習を重ねるほどに楽しさが増していきました。歌と踊りを一体化できた瞬間の喜びはとても大きく、MVの撮影では新しい自分に出会えた感覚がありました。ダンサーの皆さんと一緒にステージを作ることができたのも、最高の思い出です。
ー『ケサラバサラ』はソロ名義でのシングル曲ですが、10月にはニューアルバム『SAMURAIDIVA』のリリースも控えています。ボーカル表現や歌唱面で、特に意識した点や新たな挑戦はありましたか?
ニューアルバム『SAMURAI DIVA』では、和楽器や伝統芸能と、ジャズ・クラシック・メタル・EDMといった異なるジャンルを融合させています。歌唱面では、「詩吟で培った声の力強さ」と「ポップスの繊細さ」を行き来するように、表現の幅を意識しました。特に、静と動のコントラストを大切にして、聴き手の心に物語を描けるように挑戦しています。
ー年末には初のソロツアーも始まります。準備を進める中で、「個人名義でステージに立つ」という点において、これまでと違った感覚はありますか?
和楽器バンドの一員として大きなステージに立つ経験は重ねてきましたが、個人名義でのツアーは初めてなので、新たな挑戦と思っています。全てを自分の責任で作り上げていくことにプレッシャーも感じますが、その分、自由に自分の色を出せる喜びも大きくとても楽しいです。そして、私はゼロから自分で考えて体現していくことがこんなに好きで楽しいという事に改めて気づきました。「鈴華ゆう子」としての表現を、まっすぐに届けられる場所になると思っています。
ー忍者や侍は、日本の伝統文化として広く知られていますが、その中で特にお気に入りのエピソードや、好きな武士の逸話などがあればぜひ教えてください。また、日本には忍術体験ができるテーマパークもあり、海外からのファンにも人気ですが、そういった場所を訪れたことはありますか?
侍や忍者は、日本の文化の中でも特に世界に誇れる存在だと思います。私にとっては「誇り」や「美学」を体現する象徴であり、特に吟剣詩舞の学びを通して触れる「武士道」の精神には大きな影響を受けています。実際に小田原城で忍術体験をしたことがあるのですが、
とても楽しく、また自分の表現活動に直結する発見もありました。私のライブでは殺陣や剣舞を演出に取り入れているため、そうした体験は確実にインスピレーションにつながっています。
ー今年、詩吟の新流派「吟道鈴華流」を立ち上げ、初代宗家「鈴華慶晟」としての活動も始められました。台湾のファンに向けて、この流派の理念や特徴をご紹介いただけますか?
今年、新たに詩吟の流派「吟道鈴華流」を立ち上げ、宗家「鈴華慶晟」として活動を始めました。理念は「古典を継承しつつ、現代に生きる新しい詩吟を創造する」ことです。音楽教育の観点からリトミックや楽典も取り入れ、子どもから大人まで親しみやすく学べる仕組みを作っています。詩吟を通じて、言葉と声の持つ力を台湾の皆さんにも感じていただければ嬉しいです。
ー詩吟に加え、クラシックピアノや詩舞、剣舞など多才な分野での表現もされています。今回のソロライブでは、ご自身の「本質」をどのように観客に伝えていきたいとお考えですか?
私は音楽家として「和の心」を根底に持ちながら、ピアノ・詩吟・剣舞といった表現を融合し、ジャンルを超えた音楽を届けてきました。その上で最終的に伝えたいのは「歌に宿る魂」、もっと言えば「世界平和」への願いです。音楽は世界共通語であり、国境を越えて人々を繋ぐことができます。日本の音楽を通して、日本人としての存在を世界に受け入れてもらえるような、境界のない平和な未来を願っています。今回のソロライブでは、華やかなエンターテイメントでありながら、人としての私自身の想いを真っ直ぐに届けたいと思っています。
ー母親となられ、新たな人生のステージに踏み出された今、音楽創作にはどのような影響がありましたか?
母になってから、創作に対する視点が大きく変わりました。以前は「自分をどう表現するか」が中心でしたが、今は「次の世代へ何を残せるか」を強く意識するようになりました。子どもの存在が、音楽により深い温もりと責任感を与えてくれています。
ー台湾のファンについて、印象に残っている出来事やエピソードがあれば教えてください。
台湾公演での体験は、私の音楽人生の中でも特別な記憶です。あの会場を包み込むような熱い歓声は今でも耳に残っていて、それを超える瞬間にはまだ出会えていません。空港での出迎えから、街を歩くときのファンの皆さんの笑顔や声援まで、すべてが想像を超える
温かさで感動しました。日本語でコミュニケーションを取れる方も多く、まるで距離を感じさせないほど心が繋がったことがとても嬉しかったです。台湾の皆さんの情熱は、私にとってかけがえのない力になっています。
ー最後に、台湾のファンへメッセージをお願いします。
台湾の皆さん、いつも応援ありがとうございます。皆さんのおかげで、私は新しい挑戦を続けられています。これからも日本の伝統と現代の音楽を融合させた作品を届けていきますので、ぜひ楽しみにしていてください。そして、近いうちに必ず台湾で歌声を届けに行きます。その日を心から楽しみにしています!
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文:MeMeOn Music
写真提供:黑子娛樂有限公司