10周年を迎えた tricot が新しいフルアルバム『上出来』をリリース。テレビ東京サタドラ《春の呪い》主題歌の〈いない〉をはじめ、〈暴露〉、〈Dogs and Ducks〉を含む全24曲を収録 (内12曲はInstrumental)。アルバムリリースと共に、12月から日本全国ツアーを再開。その上、来年3月からワールドツアーも決まった。今回、tricotさんを迎え、インタビューさせていただいた。
―「上出来」というタイトルは面白くて、このタイトルの由来と意味を教えてお願いします。
イッキュウ:上出来という言葉には、「優れている」という意味だけではなく、「終わってみれば意外とよかった。」という使い方もあるということで、tricotはアルバムを作る際に初めにテーマを設けず出来たものをパッケージする特徴があるのでぴったりだと思い、つけました。
―前回のインタビューで、「観客の前で演奏することが難しい状況でもあるので、一旦ライブで演奏することと別軸で曲を完成させる方向で作品づくりに取り掛かっていた」とおっしゃいました。でも今回のはコロナ明けを見据えた LIVE・ツアーと連動したアルバムになります。制作中のお気持ちやこだわりを教えてください。
イッキュウ:コロナ禍でしたがありがたいことに人生で一番と言えるほど忙しくしていた一年だったので、今までと比べて楽曲と向き合う時間は短かったです。お風呂の中、電車での移動中、犬の散歩中などしか歌詞とメロディを作る時間がとれず、逆に日常的でナチュラルな表現を感じてもらえると思います。
吉田:コロナ明けのLiveを意識した制作は特にしていません。というのも、前作で得た制作のプロセスや経験からさらに進化した作り方ができるのではと思い、前に戻るよりも更に新しい作り方を心がけました。
―NUMBER GIRL 中尾憲太郎さんプロデュースした楽曲〈餌にもなれない〉も収録されていて、中尾憲太郎さんとの出会いを教えていただけますか。中尾憲太郎さんに対する印象も教えてください。
キダ:NUMBER GIRLが好きなので憲太郎さんのことはずっと前から知っていました。tricotとしては彼の他のバンド(ART SCHOOLやCrypt City)との共演で出会いました。とてもワイルドなプレイスタイルでベースを弾く印象がありました。一緒に曲を作ってみて、バンドの熱量を大切にされているなぁと感じました
ヒロミ:元々ナンバーガールが大好きで、ベーシストとしても尊敬していたのでずっと憧れの人でした。でも実際会ってみると気さくで素敵なお兄さんという感じで、制作中もメンバーの一員みたいですごく楽しかったです。
―ジャケットはイッキュウさんの愛犬「ウィケット」の写真で、「上出来」と刺繍された「まわし」も身につけていました。なぜウィケットちゃんの写真を使用しようと思ったんですか?写真する時、何か面白いエピソードがありますか。
イッキュウ:ジャケットを担当してくれるアートディレクターと話しているときに、話の流れから犬を使いたいということになり、身近な人で誰か犬を飼っていないだろうかという話から、自分が飼っている犬が起用されました。撮影中は大人しくしていて、紙吹雪がウィケットの鼻の上に乗った瞬間がとても可愛かったです。
―犬といえば、〈Dogs and Ducks〉という曲は印象的だと思います。この曲のインスピレーションはどこから得られましたでしょうか。
イッキュウ:携帯アプリで英語の勉強をしていて、dogsとducksの聞き取りができずにポイントを逃してしまい、悔しかったことから生まれた曲です。
―コロナ禍の状況の中で、ライブを楽しみにしていて、音楽を愛する台湾のファンにもメッセージをお願いします。
イッキュウ:自粛期間中に外食ができなかったので家で一人で火鍋を作りました。台湾で火鍋を食べた思い出が強いのではやくまた台湾で食べたいです。小籠包も食べたいです。タピオカも飲みたいです。みんなにも会いたいです。
キダ:今とても苦しい状態ではありますがまた必ず皆さんの前で演奏出来る日をわたしも楽しみにしています。会いたい人もたくさんいるので!元気でまた会いましょう!
ヒロミ:台湾大好きなのでまた早く行きたいです。みんなに会える日を楽しみにしてます!
吉田:台湾早く行きたいです!楽しみにしています!
tricto HP:https://tricot-official.jp/
tricot New Album 《上出来》配信リンク:https://tricot.lnk.to/Jodeki