【 MeMeOnインタビュー】馬場智行「ACRYL」個展 写真で「人間とは何か」の答えを得ようとしている

日本写真家馬場智行が7月28日から8月19日まで台湾のG.Galleryにて「ACRYL」個展を開催。お金に使われている紙で特別な印刷をし、見る角度によって生き物がかなりキラキラして見える。今回、馬場智行さんを向かえ、「ACRYL」についてについてより詳細に深くお話をお聞かせていただいた。

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ー初めて個展を見た時、すごく静かで、ちょっと神秘な雰囲気があります。水族館のような感じはしますが、未来に時間が凝結された水族館のほうが近いです。特にモノクロのの写真で、生き物たちはきらきらして、まるで標本のような感じだと思います。写真を撮る時は特に何かを意識してましたか?

あなたの解釈は、私が作品に込めた意図とよく似ています。私は水族館にいる生物を、人間の未来か或いは現在の姿とを表すものとして撮影しました。
私が意識していたことは、自分の気持ちを表し過ぎないこと。ほんの少しの美しさを与えること。水槽や生物達を見つめているような距離感で撮影すること。だいたい気を付けていた点はこの3つだと思います。

 

ーACRYLというのは人造物です。この言葉をテーマにするのは水槽の壁以外にも何か意味は含まれていないでしょうか?

ACRYLは水槽の壁の素材ですね。このような素材を発明することによって、水族館のような場所を存在させることを可能にしているという意味が一つ。
もう一つは境界線という意味を込めました。ACRYLの壁の向こう側とこちら側、作品を見る人にこれを意識させたかった。

 

ーさきお喋った意図っていう理由で、モノクロで撮りましたでしょうか?

モノクロで撮った理由は、二つの理由からです。一つは、当初は魚の遺影を撮るというコンセプトで始めていたこと。もう一つは、初めから展示を想定して作成していたことに関係があります。見る人が作品を見るとき、ゆっくりとした理解をしてもらおうと考えていました。その為、最初は水槽部分を見せない写真を並べることで、水族館であるということがわからせないということを考えていました。ですので、水族館だとわからないように色を奪いました。

 

ーでも写真の陳列方法はわざわざ水族館のような感じにしたじゃないでしょうか?

そのため、写真を掛かったりして、人が入ったとき、水族館にいるみたいな感じがしますけれどもこの作品は私が学生の時に制作を始めたものでした。当時の考え方は未熟なものでした。今展示している方法は当時より、成長した考えに基づく見せ方ということになりますね。今は撮影や展示を経験して、写真家として成長し、日本の写真学校で先生をやっています。

 

 

 

ーなるほど!昔の写真を振りかえて見て、いかがと思いますか?

私は写真で「人間とは何か」という問に対する答えを得ようとしています。私が作る作品の一つ一つがパズルのピースです。全てのピースが揃って一枚の巨大なパズルが完成し、それを眺める時、おそらく私はその問に対する答えを手に入れているのだと考えています。この作品は未熟さも含めて、その一つ目のピースとして相応しいものであると思います。

 

ー素敵な答えだと思いますね!来年の個展について、できる範囲でお話いただいてもよろしいでしょうか?新作ですか?

ありがとうございます。新作です。去年「孤独の左目」という作品の第1章を展示しました。来年はこれの第2章を展示する予定です。この作品は人間の視覚とは何かということに対するものです。全部で4章まで考えています。

 

【個展情報】

ACRYL

馬場智行 個展 Tomoyuki Baba Solo Exhibition

会期:2018.7.28(土)~ 2018.8.19(日)

会場:居藝廊G.Gallery(臺北市中山區農安街227巷3弄3號B1)

入場料:無料

居藝廊G.Gallery HPwww.g-gallery.org

文:MeMeOn Music / 写真:MeMeOn Music