寫真館Gelatin

【MeMeOnインタビュー】寫眞館ゼラチン(2)ー撮りたい時に撮らないと無くなっちゃう

MeMeOn Musicが2周年を迎える際、寫眞館ゼラチン 初海外個展「温度」を行った。寫眞館ゼラチン は雑誌KERAや有村竜太朗(Plastic Tree)、cali≠gari、京(DIR EN GREY/ sukekiyo)……様々なバンドの写真等のカメラマンとして有名。

フィルムでの撮影、暗室での焼き付け、独特の風合いを持つモノクロの奥深い色でファンを魅了。モノクロの作品に相対して、カラフルな服装をしている寫眞館ゼラチンはとても優しく、面白い先生だ。25年以上写真を続けてきた背景には、どのような出会いがあったのか…幅広くお話をいただいた。

中文版

「撮りたい時に撮らないと無くなっちゃう」

ー寫真館ゼラチンさんの作品にメッセージがないとは思わないですよ。例えばいまは無くなっていく景色を記録したいっていうことを意識して撮ってるんじゃないですか?

そうですね。今までの考えでは、また「いつか撮れる」、「いつでも撮れる」と思っていたんです。でも、気がつけば「あれ、無い…..」という事が多くなりましたね。最近は特に東京オリンピックが決まってから、古い建物がどんどん壊され街の風景が変わってきていますし、撮りたい時に撮らないと、次に行った時には無い可能性がある事を現実に感じました。そして今、その日本にない風景が台灣には多く残っているので、まだまだこれからも続けて撮影していきたいと思っています。

ーこれを意識し始めたのはオリンピックが決まった時?それともその前から?

その前から意識はしていました。日本に同潤会アパートという大正から昭和初期にかけて東京各地に建設された集合住宅です。鉄筋コンクリート構造という当時最新式のアパートだったんですけど、老朽化の為に当時の姿を残したアパートはもう無くなってしまいました。

私が写真を始めた学生の時は、まだ多く残っていたので、いつか撮影しに行こう!とよく思っていましたが、気がついたからもう遅かった…..(苦笑)

なので撮りたい時に撮らないと無くなってしまうと言うことは、昔からよくわかっています(笑)

ー特に撮りたくても撮れなかったことで、心に残ってるのは……

あります!(笑)一番最近、残念に思ったのは今回宿泊しているホテルの前にある円形交差点(台北圓環)です。今は公園になっている跡地に、圓環の歴史が写真で飾ってあったのを見て驚きました。あの姿を撮ってみたかったです。とても残念です…

それから、今でも大きく心に残っているのは、日本の江東区白河にあった同潤会清砂通りアパートメントです。人から聞いたり、写真の資料等でしか見た事がないのですが、この同潤会アパートには中庭や螺旋階段があったりと、数ある中で一番心を惹かれた建物でした。

知ったきっかけは、学校で写真の勉強をしていた頃、課題発表の時に同級生が撮った螺旋階段が素敵だったので、どこの建物かと訪ねたのですが「ダメ」と言って教えてくれなかったんです(笑)

4 3.jpg?zoom=2
同潤会アパートvia:http://www.taisei.co.jp/kaihatsu/special/sp_no4.html

でも、別の写真に写っていた信号機の下に場所を示すプレートを発見して、ここにあの階段があるのかも…と勝手に予想をしていました。時代的にインターネットも無い時代なので、どこにあるかもわからないし聞いたこともなくそのまま諦めちゃいました。

それから数年経った後に、友人と同潤会アパートについて話をしていた時、写真の中で見た地名が出てきたんです。それで、螺旋階段がある所だという事が判明したんです(笑)

でも結局、わかったことに満足してしまい、気がつけば中に入ることができなくなった後だったので、悔しい思いをしました。

dgDGkB5KrlT7GNw k9Urlau7zBkkIXKvm uV7cxJDxSa2cSwvtkQc6HNKvurRMXEmpOTJaXf8UCGbJGPWRohoaDQDEHHtmNZZ9 nnK6evTj7W7UEqrKmxbslPJZOAkKRBwXfx9oTCeCB9OQegbWNeAY6Sfx Gf9Q6TVqRooTKrKzg8PvH3zWvnQ1TP EK x5zkjpF24ngwXRASUWIgtFVWplEQDtK5CsPRU4WT0Al AyRU6j6 aSpHhxnvrUVhYm1QCIye7mS9t3BKlHxFEXFCsf6NuuGvxkCEOTjOp7qSN73372keJcoRFPpLmg81EsivoLT0EpzZzqI76Rmbgub91cAX0W1 YOdys1S7wlGz4vIjdDmX3L m YP5BUlR4WoTMt Ssx4OAsDkmL vZzFVUtdqusR2v2xsThDciF1mB1dDAVbNXQ18XVBVO9Iy8cVcpdnOIkbEaUXahtRhL32ddLxYHEeUF1gEacEIM7UI7kWRT3J5mTDWXuq5bD35Effe0o6Ab0o5is6tXJomq957V198N9B9bXBofpUJfj4PBNrp ofRUsvHDgsiBuyOHmnA3Dlrz5FBAbCgriShmoc5u6MRy1e33mLKkoOd7ub zTVPddLxEFyCHtzrI0RazNIVhx7fH 2vtW8Z66EMYGnyQ=w645 h1145 no

「無くなっていくものとして、フィルムも無くなってしまう可能性もある」

ーだから無くなっていく景色を撮りたいですね。

無くなっていくものとして、今後フィルムも無くなってしまう可能性もあるので、同じ「無くなるもの」と言うことで惹かれる部分があるんだと思います。フィルムはあと何年くらい続くのか、生産終了にならないかといつも気になります。

デジタルは残す媒体としてはまだ多いかもしれないけど、データが壊れたり、再生するメディア自体が無くなるリスクがあるので出来るだけ紙で残したいです。アナログで残せることの方がより大切に感じるし、写真は撮り直しができない事も魅力の一つだと思います。

IZ6Y9Wd1VLwfRKNc7cQ0GK1knYX1rIEqcdvqTZeoS1kxRx92HpW hXy6hPQvgmKuRS4mUwLqS1G q9XwBtWsRtiy2oQHsNls Eovr6ELttiL0d9kx Sfb1euBjujjzqo3GP9f9gtSIITaHIaJSDjjsqPtLnhrwjvM0VqQf5hisUk2gMsGlBb36mjBDnnK3xcLpYlyTpzHLlH FIkMcs3spC7ko Cl0kpVgl6JHl6XzLzPethQmVVcGV2nPC2upxK1AQci0dqs80hAIFy5b95qN0hKC0FEJnMoG0PuIf2mVfP i3qzTHBB7NFxXOPmJs4VJqcAQPUB5OZk2rUJ0p0 hcUA ym6asXJpdN3z1mVaXCf2twIHO0O4sjzsc9Vc7gQP74UaxgfhMetaKF9WsOcUU qJ5FlGyNwTa4jwuj 4KbyLKDDph3l4uKYQGqbYWBioADu9vOZnL7lguSxIoSalgKyKELTULLPyb eC9LGWvGbu 3Gh JovQ9H J2pwSw1YXmE7B8nlOdVvaiW8HUaIVdOyyI1h4eBNvIqcvzIQ kCj0nlGB YFWXjlKykM4GV4m vx3khO XhTDJyOz77NeJfp9Omszt3w8UffywphfR5kKC7D67FzggWzlcS pROSZuZXweidYFlsIwpmYGFrBG1g=w1863 h1048 no

ー音楽と言えば、最近LPとかはだんだん復興してきて、フィルムはどうですか。

生産の終わったフィルムの復活はほぼ無いに等しいと思いますが、新しいフィルムが少しですが発表されていますね。まだまだ確実に未来に残せるかわからないので、個展会場に来てくれた学生さんのようにフィルムで写真を撮る人がもっともっと増えてくれば、未来はまだ明るいと思います。ただ、フィルムがあまり安くないので学生さんには厳しいかもしれませんね…。

ー先言った通り、デジタル時代もいつかなくなるけど、アナログでそういうデジタル時代を記録しないですか。

それは少し考えました。今あるものも30年経てば古いものになるし、ここで記録することも良いことかなと思ったんですけど、正直シャッターを切りたいとは思えなんですよね(笑)やはり今ある新しいものよりも、もっと古いものを先に記録したいんです。今あるものが30年後にあったら撮るかもしれませんけど(笑)

ーその考え方は、先ほどの話に出た映画に影響されたものでしょうか。

写真を始める以前(子供の頃)から見ていた市川崑監督の世界観は、自分の作り出す形に多くの影響があると思います。その映画に出てきたような時代のものになぜかすごく惹かれてしまうんですよね。

最近は東京にはあまり古いものが少なくなって来ている中で、台湾は私の好きな風景がたくさん残っているから惹かれたんだと思います。

d Eps2r0gFV JNEfw7eXpiFNJXulTqsiB k FRV2tlgiAs2C6fLFAgFDEUc2ihmsB1gJxKnhFARXxX SCEuH0H5hru6qLPKCy8aSfK0xQspB CsfiHuH1hHt4N JGuQLcmfVp7REeaJVX7XPJ9JtkIAgNU4rvUkQ61GNDA8cbHxaUHX8QG7SrVljr5aXE3IwvfsjoIZRn6N1m1EFy8OeDaHbuRGOZIc2YV8JvvdaOWKZEM7oc5SugmZmprBY kknrDsEKtiwlnd WnzHwpj m72SlQdP2ZKq768Myd7k9t5rcyVDc6ENVAVRomuzbkYZHG EcPK3 SGpP6n4MkbbeqxDvj10P7LhDcSQwZpf0rwEFgEMQApPeVtTAYLP2kmbku9qdLhzzrn2Eg0t5t 0L962vNl7Ab9qH5q6KILvB5hDbHzVtyDPLYlrkdS3gv6cfuV9zqdyTShkdvKJg97LEkHGaWnBukHF3HEHxmmuLvaUp0u1DOOLmU ibveaWAKzm5qZyXAFipGg0s6bHqnk PThUalbvQXn mVWn0PFeSHy6ZfVoKo1QE1nHRhxp7srdeyidjBcgW4ZHGWhwk9yJ m7x2jSwfwuTo5E phT4SsUkRUHKnv MHkaXzpv3txkqb6HdssvS 9N0SLcBp6dWnAQ=w645 h1145 no

文:MeMeOn Music

写真:MeMeOn Music

你的拍手是我們的動力

還喜歡迷迷音的文章嗎?如果覺得迷編的文字為你記下了演唱會的感動、如果覺得看了訪問可以多了解一點喜歡偶像的創作想法和可愛小地方、如果覺得參戰教學文可以多少有點幫助,請幫忙按下面的拍手圖示,只要登入連結Google或是FB帳號,就可以【免費支持】迷迷音。

贊助一杯咖啡

網站的維持比想像中還要不容易,每篇採訪從搜集資料、聯繫、訪問、逐字稿、翻譯、拍攝、審稿,基本上都是迷編從頭到尾完成,主機、圖床、相機設備等等的支出也比想像中龐大,目前迷迷音收支離打平還有很大的距離,如果覺得迷迷音的文章多少對你有些幫助,還請幫忙按下面「Buy Me A Coffee」圖示、給予贊助讓迷迷音可以努力持續生存下去!

送我們一杯咖啡

其他人也迷

你可能也喜歡

最新消息

線上日文
線上學 日文
線上日文

迷迷動漫

迷迷影劇

日劇、電影、娛樂圈大小事
英文補習
網上學 英文
英文補習

迷迷專訪

迷編為你貼身訪問台灣與日本音樂人、聲優、第一手情報

迷迷好音推薦

吃貨迷編日記

FB粉絲團

在 Twitter 上追蹤迷迷音

加入迷迷音樂社群

訂閱迷迷音電子信