メタル室内フェスティバル「Shockwave」が3月26日にLegacy Taipeiで開催された。このフェスに出た「 Knosis 」のライブがかっこよくて、印象に残った。「Knosis」という名前に馴染みがないかもしれないが、元 Crystal Lake のボーカリストRyoが、 Survive Said The Prophet のYoshと共に、The Hideout Studiosという新たな音楽制作チームを率いて行う新プロジェクトである。 ライブの直後、Ryoさんにインタビューをさせていただいた。
ーまず、台湾公演について、ご感想を教えてください。久しぶりに台湾に帰ってきて、懐かしいと思うことはありますか?
キャリアの中でベストショーの一つでした。長い間台湾に来ることができなかったので、帰ってくることができてとてもうれしかったです。フロアから”おかえり”と言われて、涙が出そうになりました。
ーRyoさんが2022年にCrystal Lakeを脱退することが発表された時、台湾でも衝撃で悲しいと思宇ファンがけっこういます。音楽活動に復帰してきて、本当にうれしいです。復帰しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
脱退を決意してから発表するまでの間、音楽活動を引退しようと考えていました。地元でタコスショップを開こうと思っていました笑。ですが、10年来の友人であり、歌詞のアドバイザーでもあるSurvive Said The ProphetのYoshがそうはさせてくれませんでした。一緒に曲を作り、レコーディングをして、ツアーにまで呼んで、Ryo Kinoshitaの復活を整えてくれました。こんなにも早く復帰するとは思ってもいなかったので、彼には感謝してもしきれません。
ー「Knosis 」にどういう意味が込められているのでしょうか。 ロゴには蛇のマークが使われていますし、台湾公演の時、Ryoさんが蛇のタトゥーを体に入れたのも見かけました。その上、ファーストシングル〈星砕〉の歌詞にも蛇が登場します。蛇はどんなシンボルなのでしょうか。
聖書におけるGenesisの中で、蛇は悪魔の化身であり、アダムとイブをそそのかし知恵の実を食べさせたことで楽園追放のきっかけを作った悪い存在として描かれています。しかし、別の見方をすると蛇が人間に知識を与えたことで、人間は進化をし、さまざまな文化が生まれました。蛇は知識を与え、豊かにしてくれる存在であると考えました。もちろん災いや争いも引き起こしますが、それこそが人間なのです。善でもなく悪でもない。まさに私が自分自身や自分の音楽に求めていることでした。Knosisの音楽が新しい世界を見つけるきっかけになれたらうれしいです。
ーデビューEP『The Shattering』が先日リリースされましたが、コンセプトについて教えてください。昔のCrystal LakeやSurvive Said The Prophetの作品のように英語でタイトルを付けることが多いと思いますが、『The Shattering』の収録曲は、すべて漢字2文字でタイトルが付けられています。何かこだわりがありますでしょうか。
日本人であるというアイデンティティーを表現するにはいくつか方法がありますが、私はタイトルを日本語にすること選びました。それは最初に目に入るもの、最初に視覚的刺激を与えるものがタイトルだと考えたからです。今回の作品のタイトルは全てElden Ringから取りました。曲の内容にフィットし、タイトルがおのずと曲のストーリーを語ってくれます。
ー3曲のうち、〈星砕〉の歌詞にある「叫び続けてきた、なぜ?この世に名を残すため」このセリフだけが日本語になっています。これがRyoさんが音楽を作り続ける理由であるというということでしょうか? 今、Ryoにとって、音楽とはなんでしょうか?ライブとはなんでしょうか?
〈星砕〉の歌詞を書いていて、自然と湧いてきたパートです。私が音楽を続けている理由であることは間違いありません。”この世に名を残す”というのは、そのままの意味ではありません。富や名声ではなく、私が生きた証、つまりアートとしての音楽、作品を世の中に残すという意味です。生きるということは、ただ息をすることではなく、血を流すということなのです。まさにライブが血を流す行為そのものであり、生きているということを皆で一緒に実感できる唯一の行為だと思っています。
ー「Knosis 」はRyoさんとSurvive Said The ProphetのYoshさんが率いる音楽プロダクションチームThe Hideout Studiosによるプロジェクトとなります。今後、ほかのプロジェクトを出す可能性もあるということでしょうか。
Knosisは、私とYoshのプロジェクトです。他のアーティストが関わることになったとしても、私とHideoutが関わらないことは絶対にありません。
ー今回のイベントで、特に気になったバンドはありましたか?また、このイベントに限らず、今後コラボレーションしてみたいアーティストはいますか?
Within Destructionは、日本のカルチャーの要素を取り入れた面白いバンドです。私たち日本人が想像しない方法で、マンガ、アニメカルチャーを表現しています。ゲストボーカルで一曲参加しましたが、また別の曲で一緒にやってみたいです。
ーKnosis今後の活動予定を教えてください。
日本でBLOODAXE FESTIVALに出演したり、夏に日本ツアーを行います。秋にヨーロッパツアーも計画しています。
ー台湾のファンにメッセージをお願い致します。
いつもサポートありがとう!私にとって台湾はとても大事な場所です。また必ず戻るので、一緒に遊びましょう。
Knosis twitter:https://twitter.com/knosis_official
Live Photo:sho (RAKU MUSIC)
文:迷迷音 MeMeOn Music