東京発の新世代バンド「Billyrrom」。バンド名は、ジャズピアニストBill Evansへの敬意と、移動型民族であるロマ族に由来し、音楽に対する高いクオリティ、自由さ、そして多様性を象徴している。2020年に結成され、メンバーはMol(Vo)、Rin(Gt)、Taiseiwatabiki(Ba) 、Shunsuke(Dr) 、Leno(Key/Syn)、Yuta Hara(DJ/MPC)の6人。結成前に楽器経験がないメンバーもいたが、その強い魅力で急速に頭角を現し、結成からわずか 4 年でアジア最大級の音楽フェス「FUJI ROCK FESTIVAL」に出演。日本の著名な音楽フェスにも登場し、ファンからは「2024年に見逃せないバンド」として注目されている。この度、台湾ワンマンライブの開催を機に、ギターの Rin にインタビューを行った。
ー以前、台湾の台中と台北で 2 回公演を行いましたが、台湾の音楽ファンや音楽シーンについてどのような印象を持っていますか?
お客さん、アーティスト共に、それぞれがポジティブにそれぞれの音楽を楽しみにいく印象があります。
ー昨年末、台湾のバンド「Wendy Wander(溫蒂漫步)」とのコラボシングル〈Nightglow Dreamer〉がリリースされた。歌詞は両バンドのボーカルが共同で作成し、英語に加えて日本語と中国語も取り入れた。コミュニケーションの中で、特に難しかったことや印象に残ったことはありますか?
Wendy WanderとBillyrromを合わせて総勢 11 名で 1 曲を仕上げるという滅多にない経験をしました。1曲の中にどうすればお互いのバンド、それぞれのメンバーの良さを活かせるかとても考えました。〈Nightglow Dreamer〉はWendy Wanderのスタジオでみんなでセッションしていた中で生まれた曲ですが結果的にそのセッションが、各々のプレイスタイルや空気感を楽曲に上手く反映できた理由だと思っています。
ー〈Nightglow Dreamer〉のミュージックビデオには、伝統的なカラオケ、北海岸や釣り堀など台湾の日常的な風景が登場。撮影中に面白かったエピソードや、日本での撮影との違いがございましたら、ぜひ教えてください。
外ロケの暑さが身体に応えましたが、我々にとってはほとんど観光みたいな感じだったので楽しんでました(笑)。現地の人しか知らないような穴場的スポットに連れていってくれて、MV撮影がなかったら知ることのなかった台湾の新たな魅力を堪能できました。
ー昨年 9 月にファーストアルバム《WiND》をリリースしましたが、今年になって〈Apollo〉をシングルとして再リリースした理由は何ですか?この曲にはどのような特別な意味がありますか?
Billyrrom の日本での全国ツアーが始まるタイミングだった為、アルバムをもう一度味わってもらうきっかけになればと思いました。〈Apollo〉はBillyrromっぽさを感じつつも大きくチャレンジした1曲だった為、この曲をシングルにしました。
ーBillyrrom はコロナ期間中に結成されましたが、その時期に自宅からのライブ配信を行って、活躍しているシンガーソングライターが結構います。Rin さんは以前、ソロアーティストとして活動することを考えたことはありますか?また、バンドでやりたい理由を教えてください。
自分は今 aint lindy という名義でソロ活動もしています。ソロ活動とバンドは全く異なるもので、ぶつかる壁も違う。バンドにこだわっているというよりは、最初はバンドというものを知りたいし、やってみたいという気持ちが強かったです。今やろうと思えば簡単に何かを作れたり、無くせたりするこの時代だからこそグループで何かをするというのはとても意味があるなと思います。
ー最初は Rin さんの呼びかけで結成されたとのことですが、Rin さんがバンドの目標を設定したものの、実際に全員が「遊びではなく真剣に音楽をやりたい」と思うようになったきっかけは何でしたか?また、プロとしてバンドで生計を立てたいという思いが強くなった契機は何ですか?
自分は最初から本気でした。元々始めた絶対にこの職業で生きていく気でした。全体が本気になった転機というもの無くて、それぞれ色んな事をバンドで経験していくうちに、段々全員の気持ちが合ってきたという感覚です。
ー計画を立てて一歩一歩実行するのは簡単そうに聞こえますが、実際にやるとなると非常に難しいものです。最近、台湾では「16 型人格」(MBTI)のテストが流行っていますが、バンドメンバーの皆さんは試したことがありますか?それぞれのメンバーはどのようなタイプだと思いますか?普段の旅行や人生設計においても、目標を設定して順番に達成していくタイプですか?
MBTI は受けたことがないです。旅行では計画を立てるメンバーは少ないと思いますが、人生設計は各々あると思います。
ー《WiND》の中で、いくつかの曲はスタジオでセッションのような形で録音されたと聞いています。臨場感が非常に重要であると感じていると思いますが、2025 年 3 月 22 日に台北で初の単独公演が予定されています。今回の公演では、どのようなパフォーマンスを予定していますか?
初の海外での単独公演になるので、どんな 1 日になるか僕たちもとても楽しみにしています。言語の壁はあっても、来てくれた皆さんと深く心を通わせる事ができればいいなと思っています。楽しむ気持ちだけ持って、3 月 22 日を迎えてもらえたら嬉しいです。
Billyrrom
HP:https://billyrrom.com/
Instagram:https://www.instagram.com/billyrrom
文:迷迷音 MeMeOn Music
PHOTO:Billyrrom