2020年10月23日、17歳最後の日にシニカルな歌詞とワイルドなボーカルが特徴のデビュー曲〈うっせぇわ〉で一躍有名になった Ado 。わずか1年でYouTubeで1億8000万回以上再生され、日本でも社会現象になった。 デビューアルバム《狂言》には、〈うっせぇわ〉、〈レディメイド〉、〈ギラギラ〉、〈踊〉、〈夜のピエロ〉、映画《かぐや様は告らせたい ファイナル》の挿入歌〈会いたくて〉、テレビ朝日系ドラマ《ドクターX ~外科医・大門未知子~》の主題歌〈阿修羅ちゃん〉など、全シングル曲と新曲7曲を加え、全14曲が収録されています。
以前のインタビュー(【MeMeOn インタビュー】大ヒット中の高生シンガー Ado バレンタインの理想の過ごし方とは?)でもおっしゃったように、「Ado」という名前は日本の古典芸能の一つである「狂言」に由来しており、デビューアルバムのタイトルにも「狂言」を付けた。豪華制作陣に加え、Ado多彩な歌い分けや感情の乗った歌声を楽しめる本作は、間違いなく2022年初頭にJ-POPファンが手に入れるべきアルバムだ!今作にどのような期待が込められているのか?アルバムの発売と同時に、Adoさんにインタビューさせていただいた。
ー 〈うっせぇわ〉は爆発的な人気で2021年を代表する楽曲となり、日本超人気ドラマ《ドクターX ~外科医・大門未知子~》の主題歌を担当することまでになった。 2021年を振り返って、今でも不思議に感じていることは何でしょうか。
ドクターXの主題歌を担当させていただいたことは本当に未だに信じられないです。「ええ〜?本当に私がやったんだよね?」と今でも思っています。あとは本当にたくさんの方々に知っていただく機会も増えて、また、自分の大好きなボカロPさんや歌い手さんに自分の歌を聴いていただけたことだったり、街中で私の歌が流れていたり、本当に私の日常の半分くらいが未だに信じられないことばかりだなという感覚です。
ー 2021年の活動で最もやりがいを感じたことは何ですか?
正直デビューのときから、私の周りで起こっていることが私自身実感が追いついていなくて、うーん…、達成感以上に「これは本当に私のことなのか…?なんかすごいことが起こっている」ということがたくさんあったので達成感を味わいたいのですが、それ以上に自分にはすごいことが舞い込んでくるばかりで…ないと言ったらないですね…
ー ニューアルバムは台湾でもリリースしました。台湾のファンに向けてアルバムを紹介していただけますか? どのように聴いてもらいたいですか?
私の「Ado」という名前は日本の伝統芸能である「狂言」から由来していて、歌い手の活動を始めたときから、ひとつの大きな目標としてアルバムを出したい!と思っていました。まだまだ私は活動を続けますが、ある意味歌い手を始めてからの集大成として自分の名前の由来にもなった狂言という名前を付けようと考えていました。狂言に収録されている楽曲はそれぞれのボカロPさんが多彩な世界感で、ダークなものもあれば青春、季節を感じさせるもの、ライブですごく盛り上がるような楽曲が入っていたり、その楽曲を聴いてくれたリスナーなの皆さんがまるで劇の中に入ってしまったような感覚になってくれたらいいなという願いも込めています。
ー デビューアルバム《狂言》で多彩なVOCALOID Pとコラボレーションしましたが、メインコンセプトがあるのでしょうか? 様々なVOCALOID Pと一緒に仕事をしてて、面白いところや大変なところを教えてください。
共通事項としてどの曲も私Adoが歌っておりますが、それぞれのボカロPさんが織りなす楽曲世界観は良い意味で統一性していなくて、どの曲にも惹き込まれてしまう楽曲の魅力が詰まったアルバムになりました。そのストーリーを飽きることなく聴いていただけると思います。ボカロPさんと直接やりとりして楽曲を制作しているわけではないのですが、どの曲も歌入れが大変だった思い出はあります。(そもそもボカロは人間が歌う様に作られてはいないので。)
ーこの間、ボーカロイドの楽曲〈千本桜〉をカバーされたことで、ボーカロイドや初音ミクに馴染みのない方にも、この世界に触れるきっかけになったのでしょう。この曲をカバーする上で、特に重視することや難しいと感じたことはありますか。
〈千本桜〉は私も本当に大好きでボカロといったらコレ!という楽曲で、ボーカロイドを知らない方にもボカロの世界にふれるキッカケを作った楽曲だと思います。私の中でも神聖で特別な楽曲だと思っていたので、その世界観を崩さずに歌わせていただきたいと思ったのと、力強い和テイストの楽曲なのでそこを表現できるようにこだわりました。
〈千本桜 ver. Ado (Limited Special Track)〉:https://www.youtube.com/watch?v=3tPBEjxqEc4
ー最近のアニメでお薦めの作品はありますか?
最近特に観ているのは《ちびまる子ちゃん》です。ハマっています…今一番勧めたいです。ほのぼのするかなと思いきや、急に感動させられたりと、もちろん皆さんご存知のアニメと思いますが、一周回って《ちびまる子ちゃん》を推したいです。あとは《魔法少女まどか☆マギカ》がおすすめです。
ーもの問わず、最近買ったもので一番好きなのはなんでしょうか。それとも買いたいものは何ですか?
カピバラさんのスマホケースです。
カピバラさんのぬいぐるみです。
ー一日中どのように時間を配分していますか? やらなければならないことがありますか?仕事以外での趣味やコレクションはありますか?
やらなければならないと言ったら私はずっと「お片付け」っていうのがあるのですけれど、お片付けどころか最近散らかしてしまって、私は片付けているつもりでも、なぜかもっと散らかってしまいます…不思議ですね…
ーAdoは「オリコン年間ランキング 2021」アーティスト別セールス部門 新人ランキングで1位を獲得しました。台湾でもすごく人気を得ています。2022年の目標を教えてください。 新しい年にチャレンジしたいことはありますか?
2022年は初めてのアルバムを発売、初めてライブのライブなど、「初めて」のことがたくさんある年なのですが、やっぱりもっとAdoという存在をインターネットに限らずリアルイベントなどでファンの皆さんと交流する機会をもっと作れればいいなと思っています。
ー「暗くて孤独で自信のない人間」、「悲観的」、「トリッキー」、「貪欲」という言葉で自分を表現したことがありますが、音楽で成果が出たことによって、少しでも自信がついたのでしょうか。
微妙ですね…自分の活動は好きですし、自分の歌も嫌いではなくなったのですが、自分自身のことが好きで自信を持てたかと考えたら、わからないですね…
ー初めてAdoの歌を聴く海外のリスナーに薦めるとしたら、どの曲を選びますか? その理由は何でしょうか。
〈踊〉と〈FREEDOM〉です。理由はどちらも海外の方に響きそうだなと思いました。〈踊〉はやはりEDMといいますが、DJを携えて大きな会場で演奏したら盛り上がりそうだなと思います。未だ聴いたことがない方がいらっしゃったら最初のインパクトがすごいと思います。〈FREEDOM〉はコールアンドレスポンスのところがすごくいいですし、ギターだったり結構ロックな楽曲なのでぜひ聴いていただきたいなと思っております。ボーカロイドに興味があって、とりあえずAdoの曲を聴いてみようっていう方には〈過学習〉をぜひ聴いていただけたらなと思います。ボカロっぽいmixを施していただいたのでおもしろい楽曲だなと思っていただけたら嬉しいですね。
〈踊〉:https://www.youtube.com/watch?v=YnSW8ian29w
〈過学習〉:https://www.youtube.com/watch?v=55W2LxbQoHc
写真:ユニバーサルミュージック