東池袋方面、首都高速を越え、喧騒な雰囲気は無くなり、静かな街並みとなる。東京電子専門学校 1 号館裏手に入って、白いビルの前に、「TOKYO FUTURE MUSIC」とい書いてある小さな看板が目に入る。階段を上がっていくと、面白いCDショップがある。自主制作、インディーズCDがたくさん陳列し、お茶を無料で飲みながら試聴して選べる委託専門のCDショップだ。一体どんなCDを売ってるのか、店長の尾形さんにお話をいただいた。
ーいつからこの店を始めましたか?
3年前、2014年の2月からですね。もともと自分がゲーム関係のクリエーターなので、それから独立して会社作って、いろいろやって、どんどん歳もとって(笑)きっかけは実はボーカロイドで、それまでバンド組んだりしなければボーカルの曲とかなかなか難しかったのが、ボーカロイドができたことで、自宅でボーカルの曲を作るみたいな感じっていうことが2008年くらいかな。僕も趣味でやってみようかな、仕事ではオーダー通り作りますが、趣味では自由に作るんで、そんな感じで作り始めたら、皆さんCDを自分で作って、M3というコミケの音楽版があって、年に2回あるんですけど、それを誘われて行ってみようっていう感じで。そこ行ったら、ものすごいアーティストさんと、お客さんが一万人くらい行くような、音楽だけなのに、しかもメジャーアーティストじゃなくて(笑)自分で作ったものを自分で手売りっていう場所なのに、いまそんなにお客さんくるだなと初めて知りました。別にレコード会社出したようなCDじゃなくても、そういう市場があるっていうか、そこで初めて知って。そういうイベントが年に2回あるんですけど、春と秋にあって、春に入れたら次は秋なので、その間に皆さんは新しい新譜を作ったりとか、あと前に売れなかったのもあって、どんどん作品貯まっていくんですけど、そのイベントしか販売してない人がほどんどなので、皆さん在庫が家に持ち帰って、クロゼットとかに。
ーそれは何年前のことですか。
それは4年前くらいですね。
ーネット販売は……
ネットは普通にやってますし、皆さんYOUTUBEとかニコニコ動画とか、作品を紹介して、けっこう「フリーでダウンロードしてください、どうぞ!」っていうのが多かったり、自分で販売するのがなかなかないです。自分の作品をiTunesとかに登録して、そういうほとはあるかもしれないですけど、ただそのM3に行く時に実際のまだCDを作ってるところに送付して……時代はちょっと逆をするんですけど、いまはみんなダウロードで買う時代なんですけど、でもやっぱりものが欲しい、あとはそのジャケットデザインとか、そういうクリエーティブなところが好きだっていう人も多くて。なので一回パソコンに入れっちゃったら、聞かないんですけど、持ちして所有していきたい人は大きのかなっていう。日本は特殊なのかもしれないですけれど、まだCDショップがあって、CDが売れてる現状もあるんで。やっぱり古い、僕みたいに年上の人はまだCDとして欲しかったりする場合もあるので、あとやっぱり憧れみたいなものがあるのかな、レコード会社からデビューはできないけど、自分で作品がプレスして、CDはできる満足感みたいなものはあります。実際売りたいんだけども、なかなか普通のCDショップが扱ってくれないし、っていうところで、であればそういう場所作っちゃえば(笑)自分自身も作ってたものもあるんで、こういう店があったらいいなと思うので、実際作ってみました。イベントは年に2回ですけど、ここ来たらいつでもイベントみたいな感じで、普段いろんな店では買えないCDが置いてあるっていうところ。売る人のためみたいな、ここで作品をみなさんに広めたい方向けのっていう、クリエーター向けの店です。僕のフィルターが入ってないので、、いわゆる僕の好きなものばっかり集めてるとか、そういうものではないので、ここにもってきたい、置いてくださいっていうのは全部扱います。音楽的には僕があんまり好きじゃないものもあったりするんです(笑)セレクトショップではないですね。本当に委託っていうスタイルでお扱いして、販売したら手数料をいただくっていうことです。3年やってきて、あっという間になくなっちゃうっていうのもあったり、一枚も売ってないものもあります。どれが売れるか、僕自身もわからない。すごく不思議なんですけれども。
ーでもみんなどうやってこれら自主制作のアーティストさんを知ってCDを買いますか。
やっぱりいまはネットでYOUTUBEとかニコニコで自分の作品のプロモーションのビデオとか作って、それをみて、それが話題になったりとか、そう言ったところで始まるのが多いです。
ーすごいですね!ネットでこういうことやってる人がいっぱいいるので、どうやって自分をアピールとか、それはすごく難しいと思います。
そうでうね。SNS関係一生懸命やってる人が多いし……。例えば2年間全然売れなかったのに、3年目でポンポンポンと売れる人もいるんです。そういう人はやっぱりネットで一生懸命プロモーションやってますね。何か作戦を立っててやってたりとか、あと誰かほかのちょっと有名な人が紹介してくれたとか、そう言った横の繋がりで露出が増えたりする人も多いみたいですし。僕もどうやったら売れるかはわからないですけど。でもみなさんもわからないと思うんですね。
ーこちらは販売だけですか?それとも制作の協力もありますか?
今は販売だけをしているんです。今後限界あるっていうか、例えば本当はプレスでいいんだけど、予算があんまりないとか、でもすごい絶対にこれはきちんと作ったら価値が持ってるというように関しては、例えばプレスだとか、プロモーションしたいっていうのは将来的には考えているんですけれども。みなさん結構どんどん作っちゃうので。今安くCDが作れるようになって、思う通りに自分が作りたいように作っちゃうので、あんまりこうこちらが作ってあげましょうかっていうようなことがなかなかないです。制作費がないので、制作費を出してあげるみたいなことは今少ないかもしれないし。本当に魅力がある方は本当にメジャーなレコード会社が声かけて、お金払ってプロモーションしますけど。なかなかそこまで行かない、できる方いっぱいいるので。できればこの中からスターいるなと言ってほしんですけど(笑)逆にこの中にもメジャーな方、実はいまして、名前を変えて、別の名前で活動する人もいます。
いまは大手会社が出したCDも売れない時代なので、皆さん自分のできる範囲で一生懸命作ってるCDを集める感じ。全国から集まってるので、お会いしたことないかたがたくさんいるんですね。特に「これクワロティが低いからだめですよ」ということはしないで、全部揃いています。なのでいろんなものがあります。売れるものではなくて、作りたいものを置いてるお店なんで、それも面白いところがあると思います。
ー最近はクラウドファンディングが流行ってるじゃないですか?
それにしても、やっぱ魅力がないと達成できない。本当に素敵な方だったら、ファンができたり、力を貸してくれたり、CDも売れますし、そういう方はやっぱり将来的にはプロになる可能性があります。でもただネットに上がれるのは簡単なんですけど、それ後価値が生まれないっていうのはやっぱり買っている人がお金を払う。儲けっていうより、利益じゃなくて、大切にするのはやっぱり意味があります。原価っていうか、一枚500円で作ったら500円で売る。全然儲けは関係なくって感じで売ってる方も多いですね。
ーどうしてお店の名前は「東京未来音楽」ですか。
やっぱりここに集まってくる子たちが将来的にアーティストとして成功するようなものがあってほしいな意味を含めて(笑)
ー尾形さんも自分でCD制作してますか。
ちょっとだけ作りました(笑)。2013年の時作りました。
ーDJイベントとかはどうでしょうか?
こっちはヴォーカロイドもあるし、ロック音楽もあるし、弾き語りもあるし、結構バラバラなんで、どんなイベントをやった方がいいのかちょっと難しいです。でも一周年の時、ブスを作って、サイレントライブをやりました。お客さんが自分好きなヘッドホンを持ってきてもらって、ここの空間なので、お客さん20人限定。
ーおすすめなアーティストはいらっしゃいませんか。
いまちょうと掛かってます。このfoolenさんという方ですけど。Guava Co.のヴォーカルです。台湾の方なのかわからないですけど、中国語みたいな歌詞を歌ってます。最近女性ヴォーカルの方が人気と気がしますね。男性ヴォーカルもいるが、あんまり動かなくて。男性のお客さんが多いから、女性ヴォーカルが人気っていうわけでもないけど。女性お客さんも女性ヴォーカルが好き。すごく不思議なんですけど。
ーMeMeOn Musicの読者にメッセージお願いします。
ここは将来の夢を見てる子を応援する場所なので、もし機会があれば、普通のTOWER RECORDSとかのようなCDは売ってないですけど、ぜひ聞いてみてください。
【TOKYO FUTURE MUSIC 東京未来音楽】
住所:東京都豊島区東池袋3-13-8斉藤ビル3F
営業時間:平日16時~19時(每週火曜日休み)、週末13時~19時
東京未来音楽HP:http://www.future-music.co.jp/
写真:MeMeOn Music