代官山UNITは2004年、Za HOUSEビル地下二階にて成立しました。同じビルの中にはライブハウスだけではなく、他にはB1のカフェ「UNICE」・B3のクラブ「SALOON」があります。代官山UNITでは毎日多彩なイベントが開催されています。その上、台湾のバンドもよくこちらで出演します。
今年の五月初、UNITの店長の小島先生に、UNITの発展・日本のライブ文化などについてインタビューしました。
ー小島さんが代官山UNITで働くきっかけはなんでしょうか。
きっかけは、元々先輩がここで働いてて、その先輩に声かけられてもらって、アルパイトから初めて、っていう感じです。
ー昔は音楽専門学校みたいな……?
おとぐみっていうアルパイト会社があって、FUJI ROCKやってるSMASHとかの警備やったりとか、ステージハンズやったりとか。
ーでも、音楽に興味があって、この会社に入りましたよね。
そうですね。
ー普段はどんなジャンルの音楽を聴いてますか。
仕事からなんでも聞くじゃなんとも聞くと思いますけど。
ー特に何が好きですか。
hard coreとかも好きですし、けっこう台湾とかに知り合いのバンド行ったりとか。けっこうpost rock系のバンドは今台湾にも流行ってるじゃないですか。
ーそうですね。特に台北の方。
そういうのも好きです。今度、BALLOONSってバンドが、解散しちゃうんですけど、5月か6月に台湾へ行くみたいです。このバンドがすごく好きです。TURTLE ISLANDってバンドも好きです。
ー小島さんもブッキングをやっていますよね。バンドを選ぶ基準とかはなんですか。
そうですね、これは多分あんまり面白い話じゃないですけど、UNITでけっこうイベンターさんから来たもの、出来上がったものをやっているので、あんまりこっちで宣伝してっていうのはないんですけど、その中でも、さっき言ったBALLOONSさんとかTURTLE ISLANDさんとか、DIYでやっているような人たちは、できるだけ応援したいなと思いますね。
ーこっちに出演するバンドはpost rockのほうが多いですね?
いや、post rockは一時期より、ちょっと落ち着いてると思うんです。昔、5、6年前くらいはすごく多かったですけど。
ー代官山にはすごくおしゃれ、ファッションのイメージがありますから、代官山にあるライブハウスも渋谷とかに比べって雰囲気がちょっと違いますよね。
そうですね。あとクラブもやってるんで、ここクラブに近いようなバンドとか、そういうのがうち選んでつかってくれることが多いんじゃないかと。
ーlive houseとclubのブッキング両方やってますか。
人次第、自分のお客さんは夜の人がいれば、ライブの人もいます。
ー観客の客層も違いますか?他のライブハウスに比べて、もっと大人しい感じとか?
どうですか…出演してるバンドによって全然違うと思いますけど。たとえばクラブと言ったら、ちょっとほかの種類より、年齢層が大人よりじゃないかなって思います。ライブは、バンドによって違います。
ーいままで印象に残ってるイベントってありますか。
すごい印象残ってるのが、2011年、震災があったじゃないですか?震災があったその年のカウントダウン・パーティーで、Cro-Magnonっていうバンドがいます。種事情があって、止まったバンド。活動休止してたんですけど、復活しますっていうのを、2011年カウントダウンの時に、演奏し始めて、それはすごく印象残ってます。すごくハッピーな、まぁ、このバンド止まってたっていう理由もあるし、その震災の時もちょっと重い雰囲気があったりとかですけど、なんか開けるような雰囲気でした。
ー震災の時、こっちも影響ありましたよね?
影響がありますよね、やっぱ。中止になった公演もあったし、海外からのアーティスト来れなくなったのも、「自粛ムード」に入った。大変な時になにをやってるんだ?みたいな雰囲気もあったから。
ー出演する海外のバンドもけっこういますよね。これはどんな繋がりがありますか。
僕がけっこうやらせてもらうのが、さっき言ったTURTLE ISLAND、このバンドがですね、毎年愛知縣豊田市に「~橋の下世界音楽祭~」っていうイベントを開催します。出演者は中国のバンドとか、モンゴルなどアジアのバンドで、その豊田でやったバンドがUNITでやったりとか。
ーこのイベントはすごいですね。
いわゆる、イギリス、アメリカのバンドじゃなくて、アジアのバンドが出てたりするって、面白い!印象に残ってる!
ー観客の反応はどうですか?
けっこう、みんな楽しんで見てるし、また、あんな情報ないじゃないですか?アジアのバンドってどんなんだろう?って、架け橋になるようなイベントかなっていう部分はすごい印象に残ってる。
ーアジア系のバンドが多くのため、観客がUNITだからこっちに来るっていう感じがありますか。
いや…それはないと思います。そういう印象がないです。でもこういうイベントやってるっていうのはすこし振動してるかな。これは個人的にも、この人たちが面白いし、いいきっかけになるし、心に残ってます。
ーここで、演出する台湾のバンドもあったみたいですね。
昔、SUMMER SONICやってるCreativemanさんがSUMMER SONICの中で、
けっこう中国とか台湾のバンドが出るスペシャルなんです。その中出て「TAIWAN CALLING!! 」ってやりました。2011年の。
ーその時の反応はどうでしたか?
あのね、お客様が少なかったです。こっちはおもしろかったです。
ーそうですか。代官山には住んでる外国人が多いですね。来る観客も多いですか。
多いですよ。さっき言ったのTURTLE ISLANDのSOUL BEAT ASIAの時はけっこうきました。その時はすごいきました。正直、そんなメジャーな音楽じゃないから、人少ないなってドキドキしてますけど、20人分くらいの当日券で、ちょっとホッとしたって覚えてました。当日券で、その人たちは多分中国の人たちだと思いますけど。
ー20人分?!すごいです!UNIT特別な部分ってのは、カフェとclubもあります。これらの空間と提携してなにかイベントをやることはありますでしょうか。
ありますよ。ここは「UNICE」、一個下は「UNIT」、もう一個下は「SALOON」。clubでよくやるのはTechno、Hip-hopなどです。イベントによって、三つ全部使う時もあります。その前やったのは「Erection -Circuit Party-」っていうイベントです。
ー前にもUNITでライブをみたことがあります。後ろに映る映像が素敵ですね。
そうですね、天井も高いし、映像は綺麗に映るとは思います。
ー店長やっていままで何年間くらい経ちましたか。
4年目とか、新人です。
ーずっとUNITで働いていますか。
いや、UNITの前は中野の「moon step初代the wall」っていうライブハウスがあって、そこはpunkが多いんで、そこで働いてたのが最初。
ーどのきっかけでmoon stepで働いていましたか。
働く前に出てたんです。バンドで(笑)。
ーへぇ?!昔はどんなバンドやりましたか。
昔はhard coreのバンド。楽器はね、ギターです。いまはぜんぜんやってないですけど。
ーこの長い間、音楽関係の仕事やってきて、やりがいを感じる瞬間はどんなときですか。
お客さんが楽しそうな時じゃないですか。
ーUNITで働いていて、大切にしていることはなんです。
いろんなイベントあるんですけど、僕らにとって、365日現場の人なんですけど、お客さんは、それしかない。そこは大事にしたいなと思って働いてたんです。
ーそうですか!素晴らしいです!ちなみに、理想的なライブハウスって、どんなライブハウスと思いますか。
本当に理想だけど、チケットもすごくやすい、バンドにもちゃんとお金を渡す、アーティストにも渡せて、ここはここでちゃんと経営できる、っていうのがすごい理想だと思いますけど。
ーいま、日本でライブへ行く人が増えてますか?それとも?
日本でライブへ行く人が大きいデータだと増えてるらしいです。なんか体感としてはそんなにないです。
ー昔といま、ライブハウスに対するイメージは違いますか。
違うと思いますね。昔とか、すごいライブハウスって怖いところみたいなシーンがありますけど、いまはけっこう若い人も気楽来れる場所になってるんじゃないかなと思っています。
ーしかも、UNITさんがこんなにおしゃれなところで、立派な建物でやってるし、明るいイメージがありますね。
台湾っていうのはそういうのもあったですか?昔は怖いみたいな?
ー日本と一緒ですね。昔は怖いイメージがありました。お酒や社会安全を守るって問題で閉店されたライブハウスもあります。
へぇー!でも日本ともそんなに変わらないような、そうなんですね。
ー代官山UNITについて、将来の構想を教えてください。
アジア系の音楽もやってるので、その部分、いい架け橋ようになればなと思います。アジア系のだけじゃないですけど。いま自分個人として、そういう付き合いがあったから。去年、タイのバンドも来てたし、インドネシアの人もきてたし、よかったです。
ー大体どんなバンドですか?
インドネシアのバンド二つ来て、一つはpunk、もう一つはcity pop。
ー面白いですね!じゃ、将来はフェスとかやりたいですか。15周年の時とか?
やりたいですね。やれればいいな!うち、恵比寿ガーデンホールで、そこはホールなんですけど、そういうところでUNITのイベントできたらいいなって思います。去年、club snoozer20週年のライブがガーデンホールでやってました。ロックのDJのパーティー、その中にバンドも出ました。snoozerって、雑誌もあったですよ。そこの編集長田中宗一郎さんがDJやってました。けっこう洋楽を中心になる雑誌です。
ーそうですか!面白いですね!ちなみに、UNITって一番魅力があるところはなんでしょうか。
代官山通りと、クラブもやってて、いろんな人が見に来て、あとやっぱ天井が高いし、音もとてもいいです。自信があります。
ー最後、MeMeOn Musicの読者に一言お願いいたします。
震災の時はご支援ありがとうございます!遊びに来てください!
【代官山UNIT】
住所:東京都渋谷区恵比寿西1-34-17 ZaHOUSE ビル
電話:03-5459-8630
キャパシティ:600人
ウェブサイト:http://www.unit-tokyo.com
文:MeMeOn Music
写真:MeMeOn Music